毎週土曜日の朝になると、ハノイ市内のクアンチュン通りにある薬剤研究院の小さな敷地内は、慈善心のある人々が集まる場となります。そこに、書籍、衣類、履物、家具など日用必需品の販売ブースが設けられ、販売者と購入者で賑わっています。購入者は、引き売り業者、屑屋さん、あるいは靴磨きの少年などの低所得者が主です。
それぞれの商品はたった2千ドン、日本円でわずか10円ほどですが、誰もが、最も必要な物を丁寧に選んでいます。そこに行けば、2千ドンは貧困者にとってどんなに価値のあると感じるでしょう。ホアンマイ区に住むグェン・ティ・ランさんは次のように明らかにしました。
(テープ)
「ただ2千ドンで服を買えたので、とても嬉しかったです。僅かなお金は多くの人々にとって価値は小さいですが、お金を稼ぎにくい私のような者にとっては、こうした活動は大いに役立っています。この活動は、製品を販売したお金の一部を慈善活動に活用し、つまり、他の多くの恵まれない人々を助けるということも知りました。」
この2千ドンの販売ブースはE2k(Everything with 2k)グループの構想であり、「どれも2千ドンポッキリ」という意味があります。グループのメンバーは、かつてある慈善活動に偶然に参加して、知り合いになり、共同体のためという同じ見解を持っているので親切なつながりです。8月から、このグループは、ソーシャル ネットワーキングを通して、共同体に対し、納得できる中古の衣類、家具、必需品、教科書などを寄付するよう呼び掛けました。グループのメンバーらは昼間は仕事をしているので、夜になると、寄付の品物集積場に行って、衣類や家具などを綺麗にしたり、教科書の破れた部分を貼ったりします。E2kグループの活動は、多くの人々から応援を受けています。グループの一員であるグェン・マイ・フォンさんは次のように語りました。
(テープ)
「私は、毎週土曜日の朝に、この販売活動に参加しています。低所得者の困難を分かち合うことが出来て、とても嬉しく思います。もっと多くの人々にこの活動を知ってもらう為に、チラシを配っていきました。その他、時々、私と幾人かは僻地や、山岳地帯に行って、貧困者への支援活動を行っています。」
〝1個2千ドン〟という値段は象徴的な価格です。当初、E2kグループは、品物の集合と販売に適する場所をなかなか見つけなくて、困難に直面していました。その後、グループの一員であるランさんが自分が勤めている薬剤研究院の指導者に院内の敷地を借りることを申請しました。それから、毎日、彼女は、仕事をしながら、支援者からの寄付の品物を受け取っています。
寄付の品物を受け取るランさん(左)
ランさんは次のように明らかにしています。
(テープ)
「現在、私たちは、クアンチュン通りに集積場があったですが、これは、品物を受け取るのに便利ですが、販売できる場所とはまだまだ相応しくなかったのです。ですから、今後、私たちは、多くの労働者がいる場所、例えばロンビエン市場などを探して、販売店を拡大したいのです。」
現在、こうした販売店に参加した購入者は、一人につき一番多くても10個の品物しか買えません。同グループは、近日中に、全ての売上額を北部山岳地帯ハーザンにある小学校向けの冬物の服、机、椅子、教科書の購入に活用する計画です。恵まれない人々のためのE2kの活動がさらに拡大されることを期待しましょう。