ガマの栽培と魚の養殖の複合経営、カマウ省住民の新しいビジネスモデルに
(VOVWORLD) -ガマはガマ科ガマ属の多年草の抽水植物で、別名、ミズクサともいい、古くはカマとも呼ばれていたそうです。円柱状の根は食用にされています。
ガマの木 |
以前、ガマは、経済的価値がない野生植物でした。しかし、15年ほど前に、ガマの根が食材として使用されるようになり、価値が見いだされてからは、カマウ(Ca Mau)省、特にカイヌオック(CaiNuoc)県で栽培され、「カイヌオック県のガマ」というブランドで知られるようになりました。ガマの栽培と魚の養殖を組み合わせた複合経営は地元住民の新しいビジネスモデルとなっています。
タンフンドン村に住むチャン・バン・ラックさんは、15年前にガマの栽培を始めた最初の農民の一人です。彼は、ガマが経済的に高い価値をもたらすと知り、家族の持っていた5ヘクタールのエビの養殖池でガマの栽培をすることにしました。当初は、ガマの栽培の経験がなかったので、色々な困難に直面したそうです。その後、ガマの栽培業者から栽培の技術や手入れ方法などを学んで、ガマを順調に育てられるようになりました。また、ガマの栽培地でティラピアや、雷魚などの種魚を育てることも出来るようになりました。現在、ガマの栽培と魚の養殖を組み合わせた複合経営の土地の総面積は20へクタールにもなっています。ガマと魚は、年平均約6億ドン、300万円ほどの収益をもたらしているそうです。
ラックさんは次のように語りました。
(テープ)
「ガマの栽培と魚の養殖の複合経営は大変な仕事ですが、安定した収入が得られます。私は年間を通して貯水用の淡水でガマを栽培しており、栽培コストもわずかです。ガマの根は地元の市場の小売業者に販売しています。20ヘクタールの栽培地からは、3トンのガマの根が採れ、利益は4千万ドン、20万円程です」
ラックさんによりますと、ガマの栽培と魚の養殖の複合経営は、実現困難ではありませんが、収獲と加工に手間がかかるそうです。
(テープ)
「ガマの栽培での重要な工程は、成長を見ながら、適切に石灰や肥料をやるということです。私は、大規模にガマの栽培をしているので労働者を雇っています」
ところで、成長したガマは収穫された後、土の中の白い根が見えるまで皮をむきます。この部分は、塩漬けにしたり、和え物、スープ、炒め物など、様々な食材として利用され美味しい料理になります。今では、ガマはカマウ省における特産品の一つとして知られるようになりました。
ラックさん一家と同様、現地では、多くの家庭が、ガマの栽培と魚の複合経営を行っています。タンフンドン村農民協会のチャン・タン・リエム会長は次のように語っています。
(テープ)
「村の党委員会と人民委員会は、この取り組みに注目しています。住民に安定した収入をもたらすことができるため、今後も拡大していく方針です。農協と各関連機関は、ガマの栽培面積を拡張したくても、資金不足で悩んでいる農民に有利な支援の条件を提示しています」
ガマの栽培と魚の養殖を組み合わせた複合生産の取り組みが高い経済的価値を生み、地住民の新しいビジネスモデルとなっています。