ドンホー木版画


ベトナム正月のテトにドンホー木版画に家を飾ることはベトナム人の伝統文化の美しさの1つとなっています。ドンホー木版画は、バィンチュンなどおせち料理と共に、欠かせないテト用品と見られています。今日のこの時間はこの木版画についてもう一度ご紹介します。


ドンホー木版画 - ảnh 1
子供の遊び(ドンホー木版画)

ハノイに隣接している北部バクニン( Bac Ninh) 省は民謡クァンホの発祥地として知られているだけでなく、多くの伝統的文化を保存しています。その中の一つにベトナムの有名な民芸版画であるドンホー版画 を抜きにして語ることはできません。

バクニン省トァンタイン( Thuan Thanh) 県ソンホー( Song Ho) 村のドンホー版画製作は400年の歴史があります。ハンチョン版画、キムホアン版画とともに、ドンホー版画はベトナムの有名な伝統的版画の一つです。ドンホー版画は、元々お正月を彩る版画として飾られてきました。昔、貧しかったベトナム人の各家族はせめてお正月だけでも華やかに彩りたいという思いから生まれたと言われています。

ドンホー版画独特の価値はその木版と色彩、及び、版画のモチーフにあります。ドンホー版画を守り続けている一人として知られているグエン・ダン・チェ( Nguyen Dang Che)さんは400年の長きに渡り、代々ドンホー版画を作る家庭に生まれました。

チエさんは「時が経っても、ドンホー版画に対する情熱は変わらない」と話し、次のように語りました。

(テープ)

「ドンホー木版画は人々がテトが来るたびに買うので、テト版画とも呼ばれています。順調畜産を祈るため、豚や鶏の版画をかけます。そのほか、豊かな生活を祈願して『栄華・富貴』という絵がかけられます。また、春、夏、秋、冬の四季を描いた版画集も人気があります」

ドンホー版画を見ると昔の庶民の日常生活、民間遊戯、生産活動、祭りなどを理解することができます。また、ドンホー版画を通じて、生活の教訓や正しいことそうではいことを教えます。ドンホー版画は見る人によって、様々な解釈ができます。年齢や生活経験によって、理解の仕方も異なります。

先ほどのチェさんは次のように語りました。

(テープ)

「ドンホー版画の特徴はもう1つあります。これは原材料が全部環境にやさしいということです。紙は木の皮から、色は海のカキや石、花から取れます。また、印刷用の版は木製ですね」


ドンホー木版画 - ảnh 2
闘鶏(ドンホー木版画)

ドンホー版画は手すきの紙に5色の版木を使って印刷しますが、これは「陰陽五行」という東洋哲学の原理を示しています。そして、それぞれの絵は特別な意義があります。例えば、「ネズミの嫁入り」や「椰子の実採り」などは生活の教訓を表しています。説明しなければ意義が伝わらないでしょう。

ハノイ市民のグエン・ティ・マイさんは次のように話しています。

(テープ)

「ドンホー木版画が大好きです。これは伝統的な民芸品で、教育面でも価値があります。民族伝統に関する教育や、人生に関する教訓、哲理などですね。そのため、毎年のテトに買いますよ」

ドンホー版画の独特の価値により、先頃、ドンホー版画は国家から無形文化遺産として認定されました。また、ベトナム文化スポーツ観光省は北部バク・ニン省の協力を得て、ドンホー木版画が世界無形文化遺産の認定に向けて、 UNESCOに申請する計画があり、資料の作成は2014年末の完成を目指しています。

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