バインチュンをつくる習慣

(VOVWORLD) - バインチュンを作る習慣はベトナム民族の美しい文化をあらわし、昔から伝わってきたものです。旧正月が来ると、各家々はバインチュンをつくり、先祖の祭壇に供養します。

伝説によりますと、ベトナムの最初の国家とされるバンランという国の第6代フン王(雄王)には、20人の息子がいました。王は跡継ぎを選ぶために、息子達に世界中から珍しくて美味しい食べ物を探すよう命じました。王子たちは遠い所まで食べ物を探しに行きましたが、18 番目の王子だけは、夢に見た神様のお告げ通り、大地を表す四角いバインチュンと、天を表す丸いバインザイを作って、王に捧げたんです。それ以来、バインチュンと、バインザイはご先祖に捧げる神聖な供え物となり、ベトナム民族の美意識を示すとともに、旧正月テトの欠かせない料理となったのです。

バインチュンをつくる習慣 - ảnh 1

 バインチュンは「ちまき」ですが、日本のちまきとは大分違います。15センチから20センチぐらいの正方形の形で、もち米の中に緑豆の餡と豚肉が入っています。これをラーゾンというバナナの葉に似た緑の葉っぱで巻いて、10時間ぐらい茹でます。原材料は、農民の生活にお馴染みのもち米や、緑豆、豚肉、コショウなどです。四角は大地を表し、もち米と緑豆はすべての穀物を、豚肉はすべての動物、ラーゾンの葉っぱはすべての植物を表していると言われます。ハノイ市民の一人の話です。

(テープ)

「春がやってくると、子供たちはバインチュンをつくったり、茹でたりして、子供たちは熱心に見ています。これは家族団らんの時間でもあります。子供が大きくなってからも、バインチュンづくりの雰囲気を忘れられないでしょう。ベトナムと同じように、正月にバインチュンを供養する国はないと思います。また、バインチュンはテトの贈り物やご馳走にもなっています。」

バインチュンの包み方は独特で、民族色豊かな文化を示しています。ベトナムにはバインチュンづくり伝統村がいくつかあります。その一つであるダム村の住民の話です。

(テープ)

「高品質のもち米や緑豆、豚肉を選ぶ必要があります。具体的にはもち米は「ネップ・カイ・ホア・バン」という種類で、緑豆は収穫されたばかりで、香りがいいもの、そして豚肉はバラ肉でなければなりません。茹で時間はおよそ10時間ぐらいです。」

バインチュンをつくる習慣 - ảnh 2

ベトナム人の考えでは、バインチュンとバインザイは大地と天の調和をあらわすとともに、豊富で、平安、幸福な新年への人々の願いを示しています。先祖の祭壇にバインチュンを供養する習慣は信仰活動でありながら、ベトナム人の食文化を見せています。同じくダム村に住む男性は次のように語りました。

(テープ)

「先祖に捧げるお供え物にはバインチュンが欠かせません。旧正月テトに、バインチュンを供養するのはなくなった祖先に対する気持ちを表すのです。バインチュンはテトの雰囲気を作り上げます。テトは忙しいですが、バインチュンはインスタント食品であり、便利ですよ。」

旧正月テトに、バインチュンを作り、先祖に供養する習慣はベトナムにしかないでしょう。この習慣は今後も受け継がれていくとしています。

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