「フークォック」(Phu quoc)ブランドのニョクマム (Nuoc mam)
「フークォック」(Phu quoc)ブランドのニョクマム(Nuoc mam)
とつぜんですが、リスナーの皆さんは、「ニョクマム(Nuoc mam)という言葉を聞いたことがありますか。ニョクマム、あるいは「ヌクマム」というのは、簡単に言えば、海の小魚を塩漬け、発酵させた「魚醤」のことです。ニョクマムは味と香りが外人にとって臭いというイメージが強いようですが、ベトナム人の食生活に欠くことのできない調味料の一つです。茹で野菜や、茹で豚肉、揚げ春巻き、焼肉のブンチャーなどを食べる時は、ニョクマム を使います。
ベトナム全国各地、特に沿海地域では、ニョクマム の生産工場は多々あります。それらの中に、一番美味しいニョクマム を誇っているのは南部キエンザン省フークォックのブランドです。フークォック島の島民は200年余りにわたってニョクマム 生産業を誇っています。現在、「フークォック」ブランドのニョクマム は国内では勿論ですが、外国にも出荷されるようになりまた。フークォック島だけでも、100の企業がニョクマム 生産を行なっています。カイ・ホアン生産工場の主であるホ・キム・リエムさんは、ニョクマム 作りについて次のように明らかにしています。
(テープ)
「ニョクマム の原料は雑魚の割合が15%以下のアンチョビという小魚です。この魚は水あげ直後に、木製の樽の中に入れて塩で発酵させます。発酵させたものの上澄みを熟成させて作る醤油のような物です。出来上がったニョクマムは瓶に入れて出荷されます」
ニョクマム の原料は雑魚の割合が15%以下のアンチョビという小魚です。
フークォック島周辺の海域に生息しているアンチョビは質が良く、タンパク 質やビタミンなどが豊富だと評価されています。この貴重な原材料のお陰で、「フークォック」ブランドのニョクマムは知名度を上げました。その他、ニョクマム の美味しさは、魚の保管方法にもあるようです。
魚は網で獲った直後に、要らないものを取り捨てて、再び海水で洗います。一定の割合に従って塩で漬けて、船倉に入れて保管されます。その保管方法が魚の鮮度を保つからです。
漁船が港についてから、魚は大型木製の樽に入れて、醗酵させます。12~14ヶ月で、透明で明るいブラウン色のニョクマムが出来上がります。フークォックブランドのニョクマムについて、フークォック島人民委員会のフィン・クアン・グン副委員長は次のように語りました。
(テープ)
「フークォックのニョクマムは、味と色に優れているので全国各地で愛用されています。2014年、フークォック島のニョクマムの生産量は1200万リットルを超えました。現在、フークォックのニョクマムは欧州諸国にも輸出されるようになりました。」
フークォック島は美味しいニョクマムの産地として良く知られるだけでなく、魅力的な観光スポットにもなっています。この島を訪れる観光客はだれもが、ニョクマムをお土産に買って帰ります。ハノイ市民の一人であるグェン・タン・ミンさんの話です。
(テープ)
「フークォック島の特産品には色々ありますが、私は、ニョクマムを買いたいです。フークォックブランドのニョクマムは味と香りが優れているからです。親戚や友達のために、プレゼントとしてニョクマムを20本も買って帰りましたよ。」
ベトナム人の一般料理に欠かせない調味料の一つであるニョクマムの名がもっと外国にも広がるよう期待します。