(VOVWORLD) -今年の乾季に、南部メコンデルタ地域は、深刻な塩害のピーク期に入っています。この数ヶ月間、多くの地方では、塩害は農業生産や生活用水、および住民の生計と生活などに影響を及ぼしています。現在、これらの地方は、干ばつと塩害対策に注力しています。
ソクチャン省給水株式会社は、1日最大給水量およそ9万8000立方メートルにおよぶ24箇所の給水所を管理、運営しています。そのほか、同社は、50本の浅井戸と10本の深井戸、および、2箇所の浄水場をも管理しています。しかし、ソクチャン省で発生した干ばつと塩害の影響により、生活用水の供給は困難になっています。ソクチャン省給水株式会社のダン・バン・ゴ総裁によりますと、長期的には、ソクチャン省における河川水だけでなく、地下水も塩害を受ける恐れがあります。ですので、同社は、チャウタイン県ホダクキエン村で、総面積110ヘクタールにおよぶ浄水場の建設を行う予定です。この浄水場は、1日最大給水量20万立方メートルの施設能力を有するとされています。同時に、除塩排水溝の建設工事がまもなく完成されることは、浄水場に入ってくる河川水の量を調整し、除塩にも役立つでしょう。
ゴ総裁は次のように明らかにしました。
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「今年中に、ティエンザン省から、ベンチエ省、およびチャビン省を結ぶ海岸橋が完成される予定です。そして、将来的には、この海岸橋は、キエンザン省と最南端カマウ省に至るまで建設される予定です。同時に、雨季に水を貯め、乾季に水を供給できる貯水池の建設を行う方針です」
近年、南部メコンデルタ地域の海岸地域に住んでいる人々は、塩害に適応できるように、生活用水を貯めたり、水田をエビ養殖池に転換したりしています。カントー大学所属の気候変動研究所のレ・アイン・トアン博士によりますと、2016年から、2020年、そして今回の2024年までの研究結果で、4年ごとに干ばつと塩害が発生し、その深刻さは長期の平均を上回ることがわかりました。
南部メコンデルタ地域にある13の地方と農村部、沿海に住む一部の人々向けの浄水場が稼動されています。ベトナム給排水協会のチャン・アン・トアン副会長は、「南部メコンデルタ地域が地元にあるすべての居住地や、生産工場に生活用水と生産用水を供給できるように考慮する必要がある」と提案し、次のように語りました。
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「浄水工場への原水の供給を考慮する時が来ました。地表水の塩分濃度が高いため、ティエン川とハウ川上流からの水を処理施設に取り入れて、そして、浄水処理が行われた水を住民に供給するという仕組みです」
2030年までに、南部メコンデルタ地域における少なくとも700万人ないし800万人が都市部で暮らすと予想されます。そこで、淡水化システムの建設と完備は社会保障の確保、生産および生活の需要に対応できるとされています。