「台風に強い家」プロジェクト

アメリカのロックフェラー財団の支援を受けて、この3年間実施されてきた「ダナン市における台風に強い住宅・気候変動に対応できる都市のため」というプロジェクトは、現地の貧しい300世帯の家庭に恩恵を与えています。

8年前の2006年 に発生した超大型台風「シャンセン」は、上陸直後、ソンチャ山の麓にある漁村に壊滅的な被害をもたらしました。数千軒の家屋が倒壊したのです。台風の甚大 な被害により、住宅が全壊したファム・バン・タムさんはダナン市女性協会から受けとった支援金と親戚からの借金で、台風に強い住宅を建築することにしました。 タムさんは、この住宅は広くないけれども、強風にも耐えられると明らかにし、次のように語りました。

(テープ)

「我が家は狭いですが、頑強ですよ。3つの台風に直撃されましたが、他の多くの家の屋根が飛ばされたのに、私の家は無事でしたよ。」

「台風に強い家」プロジェクト - ảnh 1

ダナン市における台風に強い家は、建設予定地やそれぞれの家主の予算に適した設計で建設されます。中部設計諮問センターの グェン・タン・ビン氏は「2006年ごろ、ダナン市工科大学の教師として、学生達と共に、超大型台風「シャンセン」の被害状況を視察しました。このことは、台風に 強い家の設計に役立ってきた。」と明らかにし、次のように語りました。

(テープ)

「台 風の被害を視察した後、同じ設計で建設された多くの家が倒壊したことを知りました。それで、私たちは、厚さ110ミリのレンガで壁を屋根の頂まで建設す ることにしました。横壁と縦壁は土台、ドア、屋根に設置したブレーシングシステムで繋がっています。これらのブレーシングシステムは強風に耐えられるのです。」

2011年以降、「ダナン市における台風に強い住宅・気候変動に対応できる都市のため」というプロジェクトは、沿海に住む貧しい330世帯を対象に台風に強い家の建設用の低金利融資を行なってきました。

ダ ナン市女性連合会のド・キム・リン会長によりますと、台風に強い家の建設には巨額というほどではないけれども、家の設計を遵守しなければなりません。一軒の家 は、頑強な基礎、厚い壁、屋根を梁で支えるという要素を持たせる他、洪水避難のため約10平方メートルの頑丈な中二階が設計されます。リン会長は次のように語りました。

(テープ)

「国連の事務局はこの構想を高く評価しました。というのは、これらの家の設計は今日の気候変動への対応にも寄与するからです。私たちは、今年中に、台風に強い家100軒あまりを建設する計画です。」

ダナン市女性連合会の「ダナン市における台風に強い住宅・気候変動に対応できる都市のため」というプロジェクトはアメリカのロックフェラー財団の提唱による「耐力性のある世界100都市に選ばれました。さらに、このプロジェクトは2014年12月始めにペルーで開催されたCOP20気候変動会議で2014年のアイデア賞を受賞しました。これは、中部沿海地域における「台風に強い家」というモデルの拡大に原動力を作り出すことでしょう。

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