戦友の遺骨を捜索する復員軍人たち

(VOVWORLD) -英雄烈士たちへの敬意と追悼の念から、多くの復員軍人たちが、かつての戦友の遺骨を探し続けています。
ベトナム戦争が終結して、時が過ぎても、その悲痛な喪失感は今もなお残っています。多くの戦没者の遺骨が未だ発見されず、遺骨が見つかったとしても身元が特定されていないケースも少なくありません。英雄烈士たちへの敬意と追悼の念から、多くの復員軍人たちが、かつての戦友の遺骨を探し続けています。
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「深い森や険しい山々に今も眠る戦友たちがいる一方で、自分が生き残ったのは幸運でした。私は戦友たちの遺体を直接埋葬したので、それらの戦友の遺骨を捜すのは、戦友としての情だけでなく、魂の繋がりであり、文化的な行為なのです」
戦友の遺骨を捜索する復員軍人たち - ảnh 1ダオさん(左から2人目)

お聞きいただいたのは、ハノイ市タインオアイ県カオズオン村在住の復員軍人ブー・バァン・ダオさんの言葉でした。1972年に軍に入隊し、トゥアティエンフエ戦場で戦っていました。戦後、しばしばかつての戦場に戻り、戦友の遺骨を模索、発掘、収集してきました。彼はこれまでに多くの遺骨を発見し、帰還させました。しかし、ダオさんのような復員軍人たちの戦友の遺骨捜索は、極めて困難なものでした。

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「私たちは、中部地域の夏の猛暑で、もうこれ以上進めないと思ったこともありました。山の麓に到着すると、谷川を渡ったり、険しく切り立った岩山をいくつも越えたりしなければなりませんでした。あまりの疲労で何度も挫けそうになりましたが、何としても戦友の遺骨を見つけ出すという強い決意があったからこそ、私たちは捜索を続けることができたのです」
戦友の遺骨を捜索する復員軍人たち - ảnh 2ブットさん(左から緑制服着用2人目)

ダオさんと同様に、ハノイ市ドンダ区在住の復員軍人ブー・ゴック・ブットさんも、常に戦友の捜索という強い決意を抱き続けています。過去16年間に渡り、彼は、他の戦友、および戦没者の遺族と共に、かつての戦場に戻り、戦没者の遺骨を捜してきました。        

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「戦争は非常に残酷でした。戦友たちのことを思うと胸が痛みます。戦場では共に過ごした仲間たちが、もうこの世にはいないのです。1週間から2週間に及ぶ戦友の遺骨の捜索は、多くの感動的な思い出と、物語をもたらしてくれます」
ブットさんは、遺骨を捜索するだけでなく、何人かの戦友と共に、戦没者の遺骨を発掘し、故郷に還る活動も行っています。
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「高齢になった今、私はただ、できるだけ早く戦友たちの遺骨を見つけ出し、遺族のもとに還してあげたいと願っています。私はかつての南部戦場を再訪すると同時に、自分が埋葬した戦友の遺骨を探しました。その中で2人の戦没者を見つけることができました。長い年月が経ち、戦場の様子は大きく変わってしまっていたため、当時の墓地の位置は分からなくなったので、現地の高齢者に聞かなければなりませんでした」
他方、ハノイ在住のグエン・タイン・ティンさんは、退役してからも、かつての第5師団の戦友会に加盟し、戦没者の遺骨捜索活動を行っています。戦友の遺骨を発見することで、彼は心の重荷が軽くなったと明らかにしました。
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「今もなお、多くの戦友たちの遺骨は発見されていません。ですから、何としても戦没者の遺骨を見つけ出し、彼らの遺骨を故郷に還してあげなければなりません。それは神聖な感情であり、戦場で犠牲になった戦友たちを故郷に連れて帰ることができた時の喜びなのです」
多くの戦没者の遺族が、今もなお、肉親の帰りを待ち続けています。戦場から生還し、生死の境をさまよった復員軍人たちは、かつて互いに抱き合った友情を誰よりも深く理解しています。かつての戦場に眠っている戦友たちへの尽きぬ思いから、多くの復員軍人たちが、戦友への追悼と感謝の念を込めて、時間と労力を惜しみなく費やし、戦没者の遺骨捜索の旅を続けています。

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