ホーチミン市にあるシネスター株式会社はホーチミン市の視覚障害者協会と連携して、「視覚障害者のための映画上映」というプロジェクトを実現しています。このプロジェクトは、視覚障害者に楽しみを与えています。
行列をつくって映画館に入る視覚障害者の生徒たち=vietnamnet
ある土曜日の朝のこと。ホーチミン市第1区のグェン・チャイ通りにあるシネスター映画館の雰囲気は普通と同じように賑わっていました。しかし、違うのは、鑑賞者の中にはグェン・ディン・チュエウ盲学校からの200人の生徒がいたのです。
今回、上映されたのはディズニーのアニメ「ズートピア」でした。この映画は、高品質の音声と音声ガイド付きで上映されたので、視覚障害者の生徒たちは見えなくても、映画そのものの雰囲気や音を十分に味わうことができました。
視覚障害者の生徒レ・ミン・ホアンさんは次のように明らかにしました。
(テープ)
「映画館で映画を楽しめるのは今回が初めてです。音声ガイドの質が良くて、テーマソングも面白かったので、大好きでした。これからも、視覚障害者の友達と教育的にも娯楽的にも高い価値を持つ映画を楽しみたいのです。」
一方、チャン・タン・ラムさんによりますと、自分は視力障害者なので、映画館で映画を観るなど考えてもみませんでした。しかし、今回、映画館で、生き生きとした音声ガイド、それに、音を聞き取る能力と想像力が良いので、映画の内容をなんとなく把握できようになりました。ラムさんにとって映画館で映画を楽しめることは特別な体験であり、自信が持てるようになったようです。
視覚障害者に奉仕する為に、実行委員会は、彼らの年齢に相応しく、ベトナム語解説付き映画を選ぶ他、視覚障害者が容易に実感できるように、現場で説明する人を頼みました。これらの人々は、カメラワークや俳優の表情の変化などに至るまで細かく説明してくれます。音声ガイドの担当者ハイ・ダットさんは「映画の内容を十分に伝える為に、事前に周到に準備しておく」とあきらかにし、次のように語りました。
(テープ)
「映画の音声ガイドをする前に、映画に関する幾つかの情報を把握し、その映画を1回観ておきます。その後、映画の内容をまとめた上で、解説します。」
視覚障害者向けの音声ガイドはかなり重要なことです。それはうるさ過ぎず、わかりやすく、雰囲気を壊さない解説、そして作品に忠実で、イメージを助けるに十分な解説を目指さなければなりません。
シネスター株式会社のグェン・ラン・ハインさんによりますと、週に2回、ホーチミン市内にある幾つかの盲学校の生徒を対象に映画を無料で上映するとしています。ハインさんは次のように語りました。
(テープ)
「当面は、『視覚障害者のための映画上映』というプロジェクトはホーチミン市と近隣各省で実施されています。これは、社会に対する私たちの責任を示す方法でもあるでしょう。こうしたプロジェクトが社会共同体からの協力を得て、さらに幅広く拡大されるよう確信しております。」
ハインさんの考えが早く実現するよう期待しましょう。