ホーチミン市の第1小児病院は、「レッドアラーム」という緊急時の手順を導入しました。そのお陰で、多くの患者が救えるようになりました。実際、2010年に緊急時の手順「レッドアラーム」は同病院で実施しましたが、3年後に、6歳と2歳の患者を救ったことで、広く知られるようになりました。この二人は、入院時に、全身に数十箇所もの刺し傷があったため大量出血で昏睡状態でした。さらに、刺し傷は、小腸、大腸、腎臓、肝臓にもあり、生命が救えるかどうかと思われていました。しかし、ホーチミン市の第1小児病院はこの二人に緊急時の手順「レッドアラーム」を直ちに適応しました。つまり、初期診断を越えて、緊急手術を行なったのです。手術後3時間経ってから、二人とも救えたのでした。これにより、同病院が緊急時の手順「レッドアラーム」を適応してから緊急状態にある患者およそ10人が助かりました。
第1小児病院のグェン・タン・フン院長は次のように強調しています。
(テープ)
「かつて、緊急処置をしなかった為、救急患者は亡くなりました。一般的な救急時の手順は速くとも30分間かかりました。しかし、緊急時の「レッドアラーム」は数分に短縮されました。これは、医療部門の成功です。」
緊急時の手順「レッドアラーム」が発令されると、医師スタッフから警備員までは、皆がやっている仕事を中断して、患者の救急作業に集中しなければなりません。手術を行なう医師が緊急に手術室で集まっている間に、実験や血液バンク、蘇生措置を担当する他の医師らがその手術に参加しなければなりません。警備員は、患者を最も迅速に搬送するように、通行の障害になる人や物を片付ける任務を果します。患者の初期救急段階から手術室への搬送までの時間は5分を上回らなければ、患者を救える可能性があるからです。その中に、救急患者の役割はこの手順に最も重要です。彼らは、自らの専門に従って初期救急を担当しながら、初期診断し、その上で、「レッドアラーム」の発令が必要か否かを決定するからです。第1小児病院救急科のディン・タン・フォン副科長は「レッドアラーム」の発令は基準図に従って出されると明らかにし、次のように語りました。
(テープ)
「止血できない大量出血患者などの場合は、『レッドアラーム』で取り扱わなければなりません。私たちは外国で基準を学びました。そして、知覚、脈拍数、血圧、出血量などに関する基準に従って『レッドアラーム』を出すのです。」
ところで、緊急時の手順『レッドアラーム』を研究、適応した人はホーチミン市医療局副局長のタン・チ・チュオン第1小児病院元院長です。チュオン氏は次のように語りました。
(テープ)
「救急患者を15分後に扱うと、救える場合もありました。そこで、経験のある多くの医師が集まると、救える可能性は高いです。これは、発展途上国の経験です。これらの国では緊急対応チームが発足されています。近日中に、ホーチミン市医療局は『レッドアラーム』手順のような任務を担う緊急対応チームを発足させます。」
緊急時の手順「レッドアラーム」はホーチミン市の第1小児病院で功を奏し始めてきました。ベトナムの医療部門は全国の病院院にこのモデルを拡大してゆく方針です。