(VOVWORLD) -1973年以来、オーストラリアはベトナムと協力して、ベトナムの優秀な学生への奨学金の支給、人材開発への支援を行ってきました。これまでに、6000人あまりのベトナム人学生がオーストラリア政府の奨学金を受けています。
2017年に、52人の学生がオーストラリア政府の奨学金を受け、まもなくオーストラリアの大学や研究院で学ぶことになります。この52人の学生の中に3人が身体の不自由な人がいます。今日のこの時間は、困難を乗り越えてきたこの3人の努力をご紹介します。
南部キエンザン省に住むフィン・ヒュウ・カインさんは、8歳の時に、小学校の近くの地中に埋められていた地雷の爆発で、両目を失ったために、何も見えないという視力障がい者となっています。それ以来、カインさんは真っ暗闇の中で、様々な困難を乗り越えながら成長してきました。長年にわたって、学習に努力してきた結果、彼はホーチミン市師範大学に入学しました。大学卒業後、カインさんはキエンザン省社会補助センターに勤めました。視覚障がい者であるものの、彼はいつもどうすれば自立した生活ができるか、または、家族を初めとする社会に少しでも役に立ちたくなるという思いを抱いています。また、カインさんは、社会的弱者、とりわけ身体の不自由な人の心理カウンセラーになるために留学したいと考えています。そこで、カインさんは、インターネットを利用して、英語を勉強することにしました。その後、彼はオーストラリア政府から、奨学金を支給されることになりました。それは、カインさんにとって新しい将来につながることでしょう。カインさんの話です。
(テープ)
「私はオーストラリアのフリンダース大学で勉強します。初めて英語だけの中に入るのでとてもラッキーだと思います。オーストラリア政府の奨学金は私の夢を実現してくれます。社会の役に立つ人になるために、様々な困難を乗り越えて、自分の能力を徹底的に活用してゆきます。」
テイエンさん=zing.vn |
一方、若い女性のグェン・トウイ・テイエンさん、29歳は、ベトナム乳がん情報ネットワークの管理者です。彼女は、このネットワークの持続的な発展に寄与すると共に、業務能力を向上させるため、留学したいと考えています。しかし、テイエンさんは、ディスレクシアという文字の読み書きなどが苦手な状態で悩んでいて、奨学金の申込み手続きなど全く知りませんでした。その後、自分の努力のお陰で、彼女は、オーストラリア政府の奨学金を支給されることになりました。テイエンさんの話です。
(テープ)
「オーストラリアの大学に在学する間も、私は引き続き、乳がん情報ネットワークの管理を担当します。同時に、オーストラリア在留ベトナム人コミュニティに対しても乳がんに関わる情報を伝えたいと考えています。」
オーストラリア政府の奨学金を受ける3人の身体の不自由な人の中に、もう一人のグェン・ハイ・イエンさんは、発達障害に悩む40歳の女性です。彼女は、現在、中部ダナン市にある縫製会社で働いています。一般の身体の不自由な人々が中小規模の生産工場にとって豊かな労働であるということを認識してきたイエンさんは、社長に身体の不自由な人を雇うよう提案しました。イエンさんは「留学を終え帰国してから、元の会社で働きたいです。また、地元に住む身体の不自由な人々の雇用創出ネットワークを拡大させたい。」と明らかにしました。
以上のように紹介した身体の不自由な3人はそれぞれの境遇を持っていますが、それを乗り越えて、社会共同体の役に立ちたいという渇望を抱えています。