身体障がい者に生活安定をたらす畜産
南部チャビン省ティエウ・カン県タン・フン村は、ベトナム身体障がい者・身寄りのない孤児保護協会から繁殖牛の飼育を試験的に行われる唯一の村となっています。身体障がい者の生計を補助するこのモデルは、この3年間実施されて以来、功を奏してきました。多くの身体障がい者の家庭は貧困状態から脱出しています。
繁殖牛の飼育プロジェクトは身体障がい者と孤児がより安定した生活を送れるように、タンフン村において2011年に実施されました。プロジェクトの対象者は身体障がい者を抱える家庭、及び孤児は、繁殖牛の飼育に5百万ドン(3万円未満)が補助されることになりました。
障がい者のタック・ティ・スンさんは、片方の足に障害があるため歩行と労働は大変でした。彼女は障がい者でありなが、難病の子どもの面倒を見なければなりません。スンさんの家庭は常に困難な状態にありました。そこで、スンさんは繁殖牛の飼育プロジェクトに参加することにしました。その結果、子牛を売って、毎年の収入が1千万~1千5百万ドン(9万円未満)に達しました。スンさんはその金額を家の改修、豚と牛の飼育に活用しました。そのお陰で、スンさんの家庭は安定した生活を送れるようになり、貧困状態から脱出しました。スンさんは次のように明らかにしました。
(テープ)
「私の家は元々国家から与えられたものです。その後、牛の飼育のために補助金も受けました。牛を売ったお金でこの家を改修できるようになりました。家は綺麗ではありませんが、頑丈です。現在、私は毎日の食事のことしか考えていません。我が家は田畑を持たないので、いくら大変であっても牛を飼育しなければなりません。」
ドンさん
一方、生まれつき足が不自由なチャン・バン・ドンさんは一家彼の稼ぎ手です。5人家族ですが、農土が全然ありません。ベトナム身体障がい者・孤児保護協会が現地で、繁殖牛の飼育プロジェクトを実施することを知り、彼は、このプロジェクトに参加することにしました。そのお陰で、現在、ドンさん一家は改善されてきました。
(テープ)
「私の貧しい家庭は国からの補助金を受けて、牛を買うことが出来て、とても嬉しく思います。数年間にわたる、牛の収入が我が家の生活改善に繫がりました。」
当初、タンフン村全体で、20頭の牛が飼育されていましたが、3年後には、65頭になりました。繁殖牛の飼育プロジェクトはタンフン村の貧困解消事業に大きく寄与しています。同プロジェクトの担当者キエウ・コク・ビエット タンフン人民副委員長は次のように語りました。
(テープ)
「このプロジェクトに参加できる基準は、牛を飼育する可能性がありながら、この仕事に興味を持つ身体障がい者でなければなりません。その基準を満す人でなければ、逆効果になるかもしれません。」
恵まれない人々への補助を目指す繁殖牛の飼育プロジェクトは現地の社会福祉の解決に寄与するだけでなく、障がい者の社会共同体への参加に便宜を図ることでしょう。