高齢者向けの仕事斡旋と収入の確保

(VOVWORLD) -この数年間、ベトナムの労働市場では、高齢者の労働者数が増加しつつあります。

 先ごろ、国連開発計画ベトナム事務所と計画投資省が公表した「HDI=人間開発指数の報告書2020」によりますと、ベトナムのHDIは0.704ポイントで、189か国・地域の中で117位となりました。専門家によりますと、これは、いかなる中所得国でも達成できない成果です。この数年間、ベトナムの労働市場では、高齢者の労働者数が増加しつつあります。

幾人かの高齢労働者の話をお聞きください。

(テープ)

「前は、国営企業で働いていましたが、5年前に定年退職しました。現在は、65歳ですが、まだ元気です。バイクタクシーのドライバーをしています。市内の道路に詳しいので、私にとってこの仕事は合っていますよ。」

「一日中、家に居るのは、いやですからね、お店の警備員の仕事でアルバイトをしています。」

この二人の高齢者は、ハノイ市内の在住者です。彼らは、定年退職後も、アルバイトをしたがっています。労働傷病軍人社会事業省・社会補助局が2020年6月から8月にかけて実施した「経済活動への高齢者の参加状況」に関するレポートによりますと、南部ホーチミン市、中部ゲアン省、及び、北部ハイズオン省では、40~45%の高齢者が経済活動に参加しています。そのうちの数千人の高齢者が科学研究、講義、文芸活動などでも活躍しています。

高齢者の仕事斡旋について、職業教育・社会福祉協会のグエン・ヒュウ・ハイ副会長は、「生活の質が日々高まっているので、多くの高齢者は、ストレスを対処すると共に、収入を得るため、定年退職後にも、仕事を続けたい気持ちがある。しかし、農村部に住んでいる数少ない高齢者は、退職金がないので、生活費を稼ぐため、働かなければならない」と明らかにしました。

(テープ)

「貧困な状態にある高齢者の割合は、約8%に上り、かなり高いという状況です。そこで、多くの高齢者は、生活費をやりくりする、仕事を続けています。農村部では、経済活動に参加している高齢者の割合は4割ないし5割に上っていますが、いまだ6割から7割の高齢者は、子どもの補助を必要としています。」

高齢者向けの仕事斡旋と収入の確保 - ảnh 1ミン博士(dangcongsan.vn撮影)

一方、労働経済専門家のグエン・レ・ミン博士によりますと、ベトナムが人口の高齢化社会を迎え、また、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている現在、高齢者への仕事斡旋はであり、高齢者の雇用と社会的貢献を確保する傍ら、高齢者の経験と知識を活用することができるから」との見解を述べました。

他方、高齢者の雇用を図るために、労働傷病軍人社会事業省は、関連各省庁や、部門、高齢者協会、団体、地方と連携して、高齢者法の規定を良好に実現すると同時に、高齢者向けの労働市場に関する情報を提供します。ベトナム高齢者協会のグエン・ホア・ビン副会長は次のように語っています。

(テープ)

「高齢者協会は、高齢化が進んでいる段階における高齢者に関する政策や規制の改正、補充を提出します。また、高齢者の養護を促すと共に高齢者の役割を活用し、恵まれない状態にある身寄りのない高齢者を助けることになっています。」

労働の専門家によりますと、高齢者向けの就職活動に有利な条件を作り出すための政策を実施することは、高齢者の快適な生活環境作りに貢献すると共に、経験のある熟練した労働力を活用することが出来ます。

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