ヴァンキェウ族女性の生活改善努力


ベトナム中部の山岳地帯にあるクァンチ省ラオバオ町は少数民族ヴァンキェウ族が多数住んでいるところです。かつては何もない貧しい町として知られていましたが、近年この町は日々変貌しており、住民の生活もかなり改善されています。その変貌の要因について、ヴァンキェウ族の女性たちの努力を抜きにして語ることはできません。ヴァンキェウ族は父系社会で、女性は元々家事しかやっていませんでしたが、現在は家族の生計に重要な役割を果たしており、町の変貌に大きく貢献しています。

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畑仕事をしているヴァンキェウ族の女性たち

クァンチ省ラオバオ町はラオスとの国境地帯にあり、セポン川をラオスのサワンナケート県との間に挟んでいます。ミャンマー、タイ、ラオス、ベトナムの4カ国を結ぶ、全長1450キロの道路を基盤にした経済開発計画、いわゆる東西経済回廊の途中にあるというこの町の有利な地理的位置は、ヴァンキェウ族の女性たちの努力を支えています。

ラオバオ町婦人協会のグェン・ティ・トゥ・ヒエン副会長は、ラオスとの国境貿易や輸送サービスなどヴァンキェウ族の女性が営んでいる経営モデルは順調に発展していると述べ、次のように語りました。
(テープ)

「ラオバオ町の中で、ヴァンキェウ族が多数住んでいるのは、ケタン、ケダ、ケトゥックといった3つの村です。ヴァンキェウ族の生活水準は町の平均水準よりやや低めですが、かつてと比べると、かなり改善されました。ヴァンキェウ族の女性たちが経営している経営モデルの一つである人力車チームは効果的に活動していて、女性たちの収入の増加につながっています。」

人力車チームのメンバー ホー・ティ・ネップさんによりますと、リヤカー引き仕事は楽ではありませんが、畑仕事ほど辛くなく、収入もかなり増えているとのことです。ネップさんの話です。
(テープ)

「かつては畑仕事をしていましたが、とても大変でした。リヤカー引きを始めたのは2006年です。最初は雇われていましたが、日当はその日にもらいました。だんだん、貯金ができ、リヤカー1台を買えるようになりました。リヤカーチームには、お客さんが多く、3、4台の人力車を持っている人もいますが、皆、少なくとも1台は持っています。」

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リヤカーを引いているヴァンキェウ族の女性の姿(写真:dantri.com.vn)

一方、ホー・ティ・タ・ゾアさんはラオスとの国境を越える食品輸出を行なっています。最初は、毎日自分でベトナム食品をラオスへ運んで販売する小規模なものでしたが、ラオスの人々の信頼を得て、販売している食品の種類と量もかなり増えています。現在は、ラオスの国境地帯の住民の間で水産物、お肉、野菜、米の提供先として知られています。ゾアさんは次のように話しています。
(テープ)

「かつては何もないほど非常に貧しかったです。畑仕事をしていましたが、イノシシによく荒らされてしまいました。病気になっても、薬を買うお金もなかったんです。その後、ベトナムの野菜を買って、ラオスへ売りに行きました。ちょっと貯金してから、野菜のほか、魚を買い、ラオスへ売りに行きました。儲かる食品であれば、仕入れて販売しています。」

ゾアさんの営業は徐々にうまくいっています。自分自身で毎日ラオスへ売りに行くことなく、お客さんの注文を電話で受けた後、調達して輸送を委託できるようになりました。ゾアさんは食品の販売の傍ら、畜産もやっています。
(テープ)

「両親は幼い頃亡くなり親戚と一緒に暮らしていましたが、何もないほどとっても貧しかったです。結婚してからもお金が全くなかったんで、苦しかったです。一生懸命働いて貯金できたので、豚の飼育をして子豚を生まれました。それから、豚を売ったお金を使ってヤギと牛を買いました。」

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新しい経営モデルから収入を増やすヴァンキェウ族の女性たち

ラオバオ町婦人協会のグェン・ティ・トゥ・ヒェン副会長によりますと、新しい経営モデルはヴァンキェウ族の女性の生活を改善するだけでなく、女性たちの意識改善にも繋がっています。ヒェンさんは次のように語りました。
(テープ)

「経済発展というメリットと共に、女性達は自信が出てきました。よく社会と接して情報をたくさん受けることで、自信を持ち視野も広がりました。かつては主人に従属して家事と畑仕事しかしなかったんで、村を出るなんて自信がありませんでした。」

このように語ったヒェンさんはまた、ヴァンキェウ族の人々の生活はまだまだ困難なところがまだあるものの、女性達の努力により、必ずさらに改善されるとの確信を表明しました。

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