クアンナム省のコトゥ族 伝統的な籐・竹細工の復興

(VOVWORLD) - ベトナム中部クアンナム省の山間部に暮らしている少数民族コトゥ族は自然のものを原材料に利用して家具や日用品を作るのが上手です。その中で、藤や竹でできた細工物は有名です。現在、伝統的な籐・竹細工は安定的な収入源となっており、コトゥ族の生活改善に寄与しています。
クアンナム省のコトゥ族 伝統的な籐・竹細工の復興 - ảnh 1籐・竹細工のベテラン職人ブホリン・ブローさん

クアンナム省ドンザン県ソンコン村に暮らす籐・竹細工のベテラン職人ブホリン・ブローさんによりますと、農閑期や冬になると、男性たちは、森に入って藤や竹を切り出し、細工物を作るようになりました。細工物の中で、最もよく使われるのはカゴです。丈夫で綺麗なカゴを作るには、よい藤と竹を探し、よい原材料にするように加工することが重要です。森から持ち帰った藤と竹を谷川にさらした後、乾燥させます。その後、作りたいカゴのサイズに合わせて小さく切ります。虫食いを防ぐため、2週間ぐらい台所に置いて陰干しなければなりません。サイズによって完成するまでの所要時間が異なりますが、5日間から7日間かかるのが一般的です。そのため、職人に求められるのは器用さと勤勉さであるとしています。

職人ブホリン・ブローさんは70歳を超えていますが、毎日のように籐・竹細工を作っています。これは一家の収入を増やすとともに、コトゥ族の伝統文化を守るためであるとしています。ブローさんの話です。

(テープ)

「私はどうしてもコトゥ族の伝統的な職業を守りたいと思います。新型コロナが流行したときにも、一日も休まずこの仕事をしていましたよ。安定した収入があるからです。若者にこの技を教えています。年々代々受け継がれているものだから」

クアンナム省のコトゥ族 伝統的な籐・竹細工の復興 - ảnh 2コトゥ族の様々な籐・竹細工

ソンコン村人民委員会のア・ラット・チュン副委員長によりますと、伝統的な籐・竹細工ができる人はほとんど年をとっているので、若者にこの技術を教えることが優先課題となっています。地元の行政府はベテランの職人に頼んで、籐・竹細工の技術を教えるクラスを開いているとしています。チュン氏は次のように語りました。

(テープ)

「社会が大きく変化しているので、コトゥ族の伝統的な籐・竹細工を作る職業が消えてしまう恐れがあります。こうした事態を前に、地元の行政府は職人を始め、コトゥ族の人々にこの職業の保存を奨励する政策をとっています。政策を展開する時、職人が年をとって健在ではないとか、籐・竹細工のコストが高くて売りにくいとかいろいろな困難がありましたが、徐々に乗り越えるだろうと私たちは確信しています」 

一方、ドンザン県人民委員会のド・ヒュー・トゥン副委員長は、困難を解消するため、これからは共同生産組合の設立、商品の多様化、販売の促進などの措置を取っていくと述べ、次のように語りました

(テープ)

「県は周辺の地方で伝統的な職業村の商品をPRする多くのイベントを行いました。これからも、コトゥ族の籐・竹細工と錦織を始め、伝統的な職業を守るために、その生産活動を整理するとともに、伝統的な職業の保存に対する地元住民の認識向上を目指す啓もう活動を行います。また、観光を伝統的な職業の保存の原動力と見なし、開発する方針です」 

コトゥ族の人々の努力と現地行政府の支援により、籐・竹細工は依然として、コトゥ族の重要な職業の一つであり続けるでしょう。       

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