中部高原地帯テイグエン地方に居住している少数民族クホ族にとって伝統舞踊は、行事などで欠くことのできない、どうしても行わなければならない儀式のようなものです。それは、人間に平穏な生活や豊作を与えてくれる神様への感謝の気持ちを表わす奉納に近いものです。

銅鑼と太鼓はクホ族の伝統舞踊にとって欠かせない存在です。行事などで銅鑼と太鼓の音がすると、民族衣装を着たクホ族の人々は舞いを始めます。銅鑼と太鼓の音はクホ族の人々の体を動かせる魔法のようです。村人は男女や年齢を問わず全員が大きな炎の周りに集まり夢中で踊るのはクホ族の行事の最も魅力的な光景の一つだと言われています。クホ族の舞いは、庶民的で踊りやすいためか、クホ族の人々だけでなく、観光客も魅了しています。テイグエン地方の伝統舞踊の研究者リュー・ザン・ザオンさんは次のように話しています。

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「クホ族を含むテイグエン地方の各少数民族の伝統舞踊は銅鑼の音楽から切り離せないものです。伝統舞踊は銅鑼の音を体の動きで表現し、生活の様々なことを反映しています。これらの動きは、大自然の中で暮らしている人々の活動や生活をモチーフとし、代々受け継がれた過程の中で、芸術化されました。」

クホ族は一年中様々な祭りを行っていますが、稲作に関する祭りが一番多いです。これらの祭りで披露される舞いそのものは、村人に平穏な生活と豊作を与えてくれた神様に感謝する儀式です。また、村人全員が舞いを舞うことによって人と人との結束力が強化され、コミュニティーの協調性が高まると見られます。クホ族の一人クバンさんは次のように話しています。

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「祭りで踊ったり歌ったりするのは親族や友達が集うチャンスです。仕事の後、みんなが集まって歌ったり踊ったりすると、村人の団結と分かち合い精神が強くなります。」

現在、クホ族の多くの村では、伝統舞踊グループができています。そのグループの一人クリエンさんは、次のように話しています。

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「伝統舞踊グループに参加することによって先祖から伝わる伝統の舞いを習うことができ、うれしく思います。これは、私たちの伝統舞踊の保存に貢献するとともに、観光客にクホ族の伝統文化を知ってもらうためのものです。」

クホ族の祭りに参加して伝統舞踊の雰囲気の中で過ごすツアーは多くの観光客を魅了しています。