クメール族の伝統衣装

ベトナムの各民族の中、少数民族クメール族は独特な伝統衣装でよく知られている民族の一つです。現代生活の影響にもかかわらず、伝統衣装はクメール人の生活で欠かせない存在であり続け、大切に保たれています。

クメール族の伝統衣装 - ảnh 1
行事でよく着られる服

クメール人の伝統衣装は、派手・豪華さ、独特さを誇りにしています。現在、クメール人が使っている主な織物として5、6種類ありますが、その中で、サンポット・ホールは最も大切なものです。サンポット・ホールとは緯絣の腰布で、織り柄のモチーフは200以上あるといわれています。そして、サンポット・パムアンと呼ばれる経緯糸異なる色により綾織りで織られた玉虫効果のある布です。ベトナム民俗学博物館のガイド ファム・ミン・ホアンさんは次のように話しています。
(テープ)

「重要なイベントでは、女性は、赤、紫、黄色などの鮮やかな色が沢山あるサンポット・ホールかサンポット・パムアンを着ます。しかし、日常生活で、若い女性は洋服を着る一方、年輩の女性は、前身頃と後ろ身頃を脇で縫い合わせた黒いブラウス・アオ・バーバ(Ao ba ba)と、股上刳りのない平面的な仕立で裾巾が広く、丈の短いズボンを履きます。一方、男性は、サローンと呼ばれる普段着の腰布を巻く人がいれば、洋服を着る人もいます。」

現代生活の影響で、洋服を着る人が多くなっていますが、多くの人は日常生活でも伝統衣服を着ています。その中で、女性が最もよく着ているのはチョン・クバンです。チョン・クバンとは、縦2メートル、幅3メートルぐらいの大きな一枚の布で、その布を腰に巻きつけ、裾をたぐり寄せ股下を通し、背中側で裾の先をベルトで固定させます。

クメール族の伝統衣装 - ảnh 2
花嫁の衣服

チョン・クバンとサンポット・ホールは結婚式でもよく使われます。クメール人の伝統衣装の美しさを十分に楽しむためには、結婚式に行く必要があるといわれています。先ほどのガイドのホアンさんは次のように話しています。
(テープ)

「結婚式では、花嫁は、目にも鮮やかな赤かピンクのサンポット・ホールをよく着ます。または、タムポンという赤いドレスを着て、白いマフラーをかける人もいます。また、クパ・プロップと呼ばれる帽子をかぶる花嫁も多いです。クパ・ブロップは、塔の形をしていて、その上には鮮やかなガラス玉が沢山ついていますので、まるで王冠みたいです。花婿も、花嫁の衣装と同じような色の伝統衣装を着ます。また、花婿は、花嫁を守るためという意味で、腰に短刀を携帯します。」

そしてクメ-ル人なら一人に一枚というのが、クロ-マと呼ばれる首に巻くスカーフのようなタオルがあります。汗を拭く、頭に被る、物を包む、腰に巻くという多目的タオルです。時には、赤ん坊もこの中に入れてあやしたりもします。よく見かけるのは、青と白のチェック又は赤と白のチェック柄のものです。

伝統衣装は現在にあっても日常生活では、昔と同じようによく使われており、クメール族のアイデンティティの一つとして大切にされています。


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