(VOVWORLD) - コラオ族の生活は近年、大きく変わっていますが、多くの伝統文化を保っています。
中国と国境を接している北部山岳地帯のハザン省に居住しているコラオ族は人口が3千人に満たないので、ベトナムで人口が最も少ない少数民族の一つです。
コラオ族の女性たち |
約200年前に中国からベトナムに移住してきたコラオ族はかつて、自分たちの言語を使っていましたが、現在、ほとんどの若者はその言語を話せません。ほかの民族と接触したことから、中国の方言の一つである官話の他、ヌン族やプペオ族、モン族の言葉を日常生活で使っています。
コラオ族の村は、15~20世帯からなり、高い山に点在しています。コラオ族は、農業を本業としていますが、棚田で稲作をするほか、トウモロコシやライムギ、サヤエンドウなども栽培しています。副業としては籐細工、大工、鍛冶などがあります。コラオ族について、ベトナム民間文芸協会のグエン・フー・ソン副会長は次のように話しました。
(テープ)
「近年、コラオ族の人々の生活は大きく変化しています。特に、国境貿易が発展するにつれて、中国の方言「官話」がよく使われるようになりました。衣服も変わりました。かつて、手作りで布を作りましたが、現在、工業生産でつくられた布を買って服装を作っています。しかし、服装は依然として、コラオ族ならではのデザインや模様を保っています。」
コラオ族は、壁が土で固められた藁葺の家に住んでいます。家は3つの部屋があるのが一般的です。先祖を祀る信仰がありますので、家には必ず祭壇が置かれます。祭壇には豚の顎骨が置かれます。これは、いつも豚を先祖に差し上げることができるということを意味しており、その家族はいつも十分な食べ物を保持しているという祈願です。
コラオ族は、名付け儀式や成人式など1年で多くの行事を行います。その中で、成人式は人生においてその人の成長を示す重要な節目として、最も重要な儀式の一つです。ハザン省の少数民族の文化研究者リュー・サム・ヴァンさんは次のように話しました。
(テープ)
「コラオ族の成人式は、コミュニティがその人を社会人として認めたことを意味しますから、成人式後、その人はコミュニティの活動に参加することができるようになりました。」
コラオ族の生活は近年、大きく変わっていますが、多くの伝統文化を保っています。