少数民族ジェチェン族はお祭りや行事などをたくさん保っていますが、その中でも、収穫の時に祝う新米祭りは最も重要な祭りの一つで、ジェチェン族の文化の特徴を示しているものと言えます。
ジェチェン族の新米祭り
ジェチェン族の新米祭りは年末の収穫後に行われます。この祭りは、天からの授かりものとされている米を大切にするものであり、天をはじめ、大地土、川、雨、雷などの神様を祀って天候と豊作を祈願するものでもあります。各家庭はそれぞれ、家で天を祀って新米を楽しんだ後、「ロン」と呼ばれる村の集会所へご飯やお肉などのお供え物を持っていきます。村全体で新米祭りが行われ、各家庭が持ってきたお供え物を天に差し上げます。新米祭りでのお供え物についてコントゥム省ゴックホイ県に住むイ・ロアンさんは次のように話しています。
(テープ)
「これは、竹の中に入れてゆでられた魚です。これも竹の中にモチ米を入れ火で炊きましたが、おこわです。このおこわは今日の大きな祭りのようなイベントにしか用意されません。そして、バナナの葉に包んで焼いた魚や、ゆでた豚肉もあります。全ては神様に差し上げられますよ。」
お供え物が揃ったら、村長は神様を招待する儀式を行います。ジェチェン族は、神様が食べに来てくれたら、村人は健康で、豊作と幸運に恵まれると考えているのです。
(テープ:現場の音)
神様を招待する儀式の中には、村長が神聖な米を投げるという催しがあります。これらの稲は、それぞれの家庭が厳格に選んだもので、その催しは、天からの授かりものを大切することを意味しています。コントゥム省ゴックホイ県の文化担当者ホアン・フイ・クィエンさんは次のように話しています。
(テープ)
「村人は、村長が投げた米が取れるようにしています。ジェチェン族は、2、4、6、特に8粒の米を取ったら、多くの幸運が訪れると信じています。こうした思いを持ってすぐ現場でそれらの米を食べますよ。これは、ジェチェン族の新米祭りの特徴で、他の民族がないと思います。」
神様を招待する儀式後、村人は全員、ドラや太鼓の音と合わせて踊ったり、歌ったりするなど祭りの雰囲気を楽しみます。
(テープ:現場の音)
ジェチェン族は、人間の生産活動は、作物のように1年で9ヶ月になって、残りは休みで、祭りの時間だと考えていました。そのため、かつての新米祭りは数日間にわたって朝から晩まで行われ、お供え物が山のように用意されましたが、現代生活の影響で、新米祭りは簡単になっています。それでも、新米祭りの精神と価値は昔のままに保たれています。