(VOVWORLD) - ベトナム中部コントゥム省ダックハ県ダックマ村に住むソダン族の一人ア・ホラさんは、科学技術を農業に導入することによって農業生産で大きな成果を収めてきた優秀農民のモデルとして知られています。ア・ホラさんは、周辺の人たちにも自分のやり方や経験を教えており、地元の経済発展に貢献しています。
ア・ホラさんの家 |
1995年以前は、ダックマは貧しい村として知られており、地元の人たちは困難な生活を送っていました。当時、地元の人たちは年1度しか稲作をやりませんでした。天候が良い年は十分な食料を手に入れられましたが、洪水や干ばつに襲われると、食料が足りなくなるのは確実でした。
どうしても貧困に負けたくないと思ったア・ホラさんは、他の地方へ行って、農作業が上手な農家を見学しました。ア・ホラさんは1996年、稲作とともに、コーヒーとゴムを栽培することにしました。学んだやり方と経験を生かしたことによって、ア・ホラさんは、2ヘクタールのコーヒー園、1ヘクタールのゴム園、5千平米の水田、そして、数十頭の家畜を持っています。生産費用を除いた後、年間の利益は2億5千万ベトナムドン(日本円で120万円)にのぼっています。ア・ホラさんは「成功のコツは勉強と勤勉である」と述べ、次のように話しました。
(テープ)
「常に勉強して自分の知識を豊かにしなければなりません。特に、科学技術を農作業に導入すると、効率が高くなります。また、一生懸命働かなければなりません。かつて、農作業はとても大変でしたが、機械の導入によって楽になりました。そして、周りの人が互いに支援しあうことも農作業に役立つと思います。」
ア・ホラさんは、村の人にコーヒーとゴムの栽培技術を熱心に教えました。これにより、多くの農家は貧困から抜け出すことができました。村長のア・ボムさんの話です。
(テープ)
「ア・ホラさんに時間をたくさん作ってもらって、村人にやり方を熱心に教えてもらいました。彼は村のミーティングだけでなく、畑で一人一人に直接教えてくれました。これにより、村の多くの農家は豊かになりました。」
ア・ホラさんは、いつも「知識はとても重要だ」と述べ、村人に知識を身につけることを奨励しています。ダックマ村の農業奨励担当者ディン・トゥさんは次のように語りました。
(テープ)
「ア・ホラさんは、村の人たちに「生産でも生活でも新しいことを勉強し、自分の能力を高めるよう」とよく行っています。特に、彼は農作業に必要な科学技術の導入に取り組んで、その熱心を村人に伝えています。これにより、2016年、彼は村の最も威信ある人だと選ばれました。」
現在、ダックマ村は、稲の他、経済的価値が高いコーヒーやゴムを栽培することによってかなり変貌しており、貧困状態にある世帯がなくなりました。また、持続可能で付加価値の高い農業づくりを目指しています。