(VOVWORLD) - 少数民族ソダン族は毎年数多くの行事を行っていますが、その中で最も重要な行事の一つは新米の収穫を祝う祭りです。新米祭りは豊作を与えてくれた神様に感謝を捧げるとともに、次回の豊作を祈願するためのものでもあります。
ソダン族の新米祭りは3日間連続で行われ、神を偲ぶ儀式のほか、遊び、歌、踊りなど様々な活動が含まれます。かつて、新米祭りは家族だけで行われましたが、現在、コミュニティのイベントになりました。
祭りを準備するため、祭りの1週間前、「ロン」と呼ばれる村の集会所で、村長の主宰の元、村の中で話し合いが行われます。話し合いで、祭りの役割分担が決められます。女性は、集会所の食事担当や片付けをするのに対し、男性は、集会所の修理や、薪を集めたりりします。
村長は祭り全体を司り、村を代表して神に感謝を捧げる儀式を進行します。少数民族の文化の研究者ルオン・タイン・ソんさんは次のように話しています。
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「新米祭りは、年の始めの収穫後に行われます。豊作のときはもちろん、不作でも新米祭りを行います。豊作の場合、神に感謝を捧げるのに対し、不作の場合、次回は豊作でありますようにと神に祈ります。」
新米祭りの日、それぞれの世帯は集会所へ供え物を持っていきます。お供え物はたくさんありますが、その中で大切なのガ、収穫したばかりの米で炊いたご飯、そして豚肉、ネズミがあります。先ほどの文化研究者ルオン・タイン・ソんさんは次のように話しています。
(テープ)
「神様への供物として、ネズミを用意しなければなりません。村人は全員、ネズミが農作物を荒らさないようにという考え方で、ネズミを食べます。これは、豊作への祈願なのです。」
新米祭りの初めての儀式は、神に感謝を奉納する儀式で、その中で、村長は、村の農作業を神に報告した後、供物を捧げて次の豊作を祈ります。儀式後、村人は全員でお酒を飲みながら、天からの授かりものとされる農作物を味わいます。そして、ドラをはじめ、いろいろな楽器の音の中で、歌ったり、踊ったりします。コントゥム省ゴックホイ県ダックアン村の村長ア・カオさんは次のように話しています。
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「村人は一緒に新米を使ってご飯を炊きます。また、ドラを叩いて踊ります。ドラが響き渡る中で、村人は老若男女年齢を問わず、お祭りを楽しみます。」
新米祭りは、成人式を行う場であり、若者が結婚相手を見つけるばでもあります。新米祭りは村の集会所だけでなく、それぞれの家庭でも行われます。新米から作ったばかりのご飯が家の周りに振りまきます。それは、ご飯が振りまかれるほど、次のときたくさん収穫できるようにという祈願です。
ソダン族の新米祭りは、豊作と幸せな生活への祈願であり、ソダン族の人々の精神生活を物語ると言えるでしょう。