(VOVWORLD) - 少数民族ソダン族の村を訪れると、誰もが「ロン」と呼ばれる大きな集会所に引き付けられるでしょう。「ロン」は特徴ある建築として知られているだけでなく、ソダン族の精神生活を物語るものでもあります。
村の集会所「ロン」は、村の顔であり、信仰の面でも文化の面でも村の中心的存在です。村の中心に建てられた「ロン」は屋根がとても高い高床式の家で、遠くから見ると、上にせり出す斧の鉄片のようです。ソダン族が多数居住している中部コントゥム省ゴックホイ県ダックアン村人民委員会のア・ファオ委員長は次のように語りました。
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「ロンは村のコミュニティー的な活動の場所で、祭りや儀式などはすべて、ロンで行われます。ロンは村人全員の力によって建てられます。かつて、ロンの屋根は藁かヤシの葉で葺かれましたが、現在、屋根は鉄板で葺かれるロンもあります。」
ロンの立地は、村長が決めますが、村の中心の高台に建てられるのが一般的です。ロンの建設は村の掟をきちんと守らなければなりませんが、その中、信仰的規則が多いです。村長がロンの建設を村人に告げてからの1年間、村人はみんな一緒に建設資材を調達・用意します。建設する前、神の許可を得る儀式が行われます。村長は、建設資材の調達から設計・建設まですべての指導役を担当します。
ソダン族のロンは8本か10本の柱に支えられます。柱とケタは籐でしっかりと結ばれます。コントゥム省ゴックホイ県ダックアン村に住むソダン族の一人ア・ファンさんは次のように話しています。
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「ロンを建てる前、丸くて大きな木を探しに行きます。ロンの建設は、釘を全く使わずに、すべては籐で縛ります。縛り方は難しくて、村長などの指導のもと、建てられます。ロンのフレームは男性がやりますが、フレームができたら、女性は籐の葉などで屋根を噴きます。ロンを建てあげるまで1ヶ月以上かかります。」
ロンの床は、ロンの長さと同じように切られた竹でできます。壁は木の薄い板でできます。外から中までの階段は1本の大きな木です。正面の戸は広い庭に面しています。先ほどのア・ファンさんは次のように話しています。
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「人が多い村は大きなロンを建てますが、人が少ない村は小さいロンを建てます。ロンを建てるとき、ロンの長さと高さが同じになるように注意しなければなりません。ロンの中の一番神聖なところは先祖を祀るところです。現在は祭壇ですが、かつては、中央の柱のそばに置かれるカゴでした。何かを食べるとき、少しをカゴに入れなければなりません。それは先祖に供物を捧げるというような意味です。」
ロンの中は、木製の像や、花・鳥・稲穂などの模様が施されたレリーフで飾られます。それらの色は白、黒、赤の3色です。黒は悪魔などを追い払う。白は誠実さを示す。赤は勝利のシンボルを意味します。そして、ロンの中には、必ず神聖なものがあります。村によって違いますが、包丁、石、水牛の角を神聖なものとする村が多いです。さらに、近年、ロンの欠かせない飾り物としてホーチミン首席の肖像画と国旗があります。こうしたロンは昔の変わらないまま、村人の生活の中心的な役割を果たし続けています。