(VOVWORLD) - ベトナム北部タイグエン省に居住している少数民族の中で、ザオ族は最も人口が多い民族です。同省のザオ族は自らの伝統文化を大切にしており、伝統文化の保存と開発の模範となっています。
ザオ族の花嫁 |
ザオ族は居住地に基づいて各グループに分類され、呼び方は風習や伝統、衣装が基礎となり、ザオクアンチャット(Dao Quan Chat)、ザオロガン(Dao Lo Gan)、ザオティエン(Dao Tien)、ザオクアンチャン(Dao Quan Trang)などに分けられます。タイグエン省のザオ族のほとんどはザオ・ロガンというグループに属します。
タイグエン省の中では、ドンヒ県ホップティエン地区は人口の3分の2がザオ族で、ザオ族の居住地です。そのため、この地区に足を運ぶと、すぐにザオ族ならではの文化を見かけられます。まずは何といっても見てすぐわかるのが、ザオ族の民族衣装です。現代生活の影響で、洋服を着るザオ族の人が増えつつありますが、ホップティエン地区で民族衣装を着る人をよく見かけます。ザオ族の衣装に関して、女性の衣装はシャツ、ブラウス、頭巾、そして脚を包むレッグラップがセットとなり、男性は短いシャツを着用します。
ザオ族の女性が成人になる前に、どうしても身につけなければならない技の一つは、民族衣装をつくることです。ホップティエン地区のモサット村に住むチェウ・ティ・トゥイさんは年に数十着の民族衣装を作っていると述べ、次のように話しています。
(テープ)
「かつては、衣服はすべて、手作りで裁断から縫うまで手作業でした。ミシンを使うようになってからは、母は「よりきれいな衣服を作れるわ」と言ったことを今もなお、覚えています。これからも、ザオ族の民族衣装が大切に保たれることを期待しています。」
花嫁を迎える儀式を準備中の祈祷師 |
民族衣装のほか、ザオ族の伝統行事は今日もなお大切にされています。中でも、結婚式は昔と変わらない慣例で行われています。結婚式は多くの独特な習慣がありますが、その中の一つは、早朝に花嫁を迎えるという慣例です。そうすることで、その夫婦は生活の中で多くの幸運があると信じられているからです。モサット村に住むチイエウ・ティエン・タインさんは、朝4時に花嫁に到着し、5時に花婿に帰るのが一般的だと述べ、次のように話しています。
(テープ)
「結婚式は日が佳いだけでなく、よい時間を選ばなければなりません。結婚式の数か月前に、佳い日と時間を決めます。普通、1日の中で良い時間帯は3つしかないということですよ。」
ドンヒ県ホップティエン地区の伝統文化の保存は、現地行政当局の主張はもちろん、地元の人々の努力も欠かせない要素となっています。現在、地元のザオ族はだれもが、自らの伝統文化を誇りに思っており、その保存・開発事業に積極的に参加しています。そのため、2017年9月に行われた全国のザオ族文化フェスティバルで、この地区は、伝統文化の保存と開発事業の模範として表彰されました。
ホップティエン地区の文化担当者バン・フック・タインさんは次のように話しています。
(テープ)
「ホップティエン地区は山岳地帯であり、少数民族の居住地でもあります。ザオ族は、4、5世代前からこの地に移住してきましたが、今もなお、多くの風俗習慣が保たれています。これは、民族のアイデンティティの保護にとってとても重要だと思います。これからも、ザオ族は自らの伝統文化の保存・開発に取り組むでしょう。」
ホップティエン地区に足を運べば、昔から伝わっているザオ族ならではの伝統文化を体験することができるでしょう。