ベトナム北部山岳地帯ソンラ省のモクチヤウ高原は少数民族タイ族やモン族の居住地で、美しい風景と豊かな文化で有名です。タイ族は豊かな文化、特に食文化で知られていますが、中でも、「水牛の皮の漬物」はモクチヤウ高原の特産品となっています。

水牛の皮の漬物

水牛の皮は厚くて硬いため、正しい方法で調理しないと、食べられません。ソンラ市パン村に住むタイ族の一人トン・ヴァン・イエンさんは次のように話しています。

（テープ）

「水牛の皮を手の平の大きさほど切ってからお湯に浸して毛をそります。その後、いい匂いが出るまで炭火で焼いてから、水で洗います。次は、皮が柔らかくなるまで茹でますが、茹ですぎると、美味しさが減りますよ」

美味しい水牛の皮の漬物を作るためには調味料がとても重要です。よく使われる調味料は、ニンジン、唐辛子、砂糖、塩、タケノコから作られたジュウス、ゴマ、落花生ですが、欠かせない調味料は、「マッケン」という木の実です。この木はベトナム北部山岳地帯にあり、その実はこの地帯に住む少数民族の料理の味つけになっていると言われています。先ほどのイエンさんさんは次のように話しています。

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「全ての調味料を良く混ぜてから水牛の皮に塗ります。その後、カゴに入れてふたをしっかりと閉めます。1週間ぐらい後に食べらられるようになります。食べるとき、パクチーなどと混ぜるとさらにおいしくなりますよ。」

水牛の皮の漬物

パクチーのほか、山菜やバナナの花と一緒に食べるのが一般的です。水牛の皮の漬物は、お肉などをうんざりするほど食べたときにも、お酒を飲み過ぎたときにも役に立つといわれています。そのため、この漬物はタイ族の宴会やパーティーなどに欠かせない料理です。

特に、近年、水牛の皮の漬物は、ソンラ省のレストランのメニューに必ず入る料理であり、ソンラ省を訪れる観光客のほとんどが買うお土産でもあります。ソンラ省ラウ村に住んで、水牛の皮の漬物を作って販売しているルオン・ティ・マイさんは次のように話しています。

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「私がつくった水牛の皮の漬物は周りの人から評判がよいので、売ってみたところ、観光客がたくさん買ってくれました。だから、これを売るのを本業にしましたよ。それ以来、我が家の収入が増え、生活も改善されました。」

水牛の皮の漬物はカリカリしていています。味はちょっと辛くてあっさりとしたすっぱい味ですが、苦い光彩と一緒に食べると、そのおいしさが増します。その漬物をおつまみとして食べながら、モクチャウ高原の特産として知られているトウモロコシの酒を飲むのは最高です。