チャム・ホロイグループのダブルドラムの演奏

中部フーイエン省の山岳地帯にあるドンスアン県に住むチャム族のチャムホロイグループは祭りを開催する時、よくダブルドラムを演奏します。祭りの賑やかな雰囲気の中で太鼓の音色は遠くまで響き、人々の心をとりこにしています。

農閑期になると、ドンスアン県、スアンライン村の中心に建てられたチャムホロイグループの集会所から、時々、響き渡る銅のシンバルや太鼓の音色が聞こえてきます。芸人らが若者たちに銅のシンバルや太鼓などの打ち方を教えているからです。楽器の中でもダブルドラムは最も賑やかな音を発します。

村祭りにはダブルドラムの演奏は欠かせません。この演奏は神様に対するチャムホロイの人々の尊敬心を示しています。ハーライ村落の村長マン・ニュさんは次のように語りました。

(テープ)

「水牛の供犠祭りや婚礼、健康を祈願する儀式などにはダブルドラムの演奏が行われます。ドラムの音色は村人全員の県故祈願を意味します。」

チャム・ホロイグループのダブルドラムの演奏 - ảnh 1

芸人2人はドラムを肩に乗せ、手で打ちながら、ドラムのリズムに合わせ、踊ります。ダブルドラムの音色は多様で谷川のせせらぎの流れや火鉢(ひばち)の火、雨音などを連想させます。また、ダブルドラムを演奏する2人は互いに気持ちを合わせなければなりません。芸人のオイ・トゥさんは次のように話してくれました。

(テープ)

「水牛供犠祭りにはダブルドラムの演奏は徹夜で行われていますよ。2人だけでなく、多くの芸人が順番に演奏するのです。この祭りに、男性はダブルドラムを演奏し、女性は演奏者にお酒を注ぎます。」

このような情況なので、ドラム打ちではなく、ダブルドラムの舞踊と言われています。この演奏はとても難しく、知力を必要としています。約4キロの重いドラムを肩にかけ、踊りながら、ドラムをならします。元気があり、器用な人でなければ、うまく踊れません。スアンライン村の青年たちはほとんどダブルドラムの演奏ができますが、芸人オイ・トゥさんのようにうまく演奏できる人は少ないです。ハーライ村落のナ・スアン・ヒンさんは次のように語りました。

〔テープ〕

「15歳の時、民族楽器の演奏を学び、うまくできるまで3年かかりました。銅のシンバル、ドラ、ダブルドラムの演奏ができます。ダブルドラムの演奏とても難しいので、うまく演奏できるようになるためには、さらに学ばなければなりません。1年半、学びましたが、まだまだ下手です。民族文化を保存する必要があると思います。」

ダブルドラムの演奏はもちろん、ドラム製造もとても難しいです。現在、フーイエン省、ドンスアン県、スアンライン村でダブルドラムが造れる芸人は2人しかいません。その中の一人オイ・トゥさんは次のように語っています。

(テープ)

「ドラムは木で作られ、表面に牛や馬の皮がはられます。というのはその皮が薄いのです。また、皮は一晩、水に浸さなければなりません。2つの表面は異なる音を発します.一つは低音、もう一つは高音を響かせます。」

一度でも、チャムホロイグループの祭りを見れば、ダブルドラムのうきうきしたメロディーが忘れられなくなることでしょう。

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