チャム族の民間遊戯

(VOVWORLD) - 民間遊戯は、コミュニティーの団結を強化するものとして、最も大切にされている文化の一つです。

ベトナム中部ニントゥアン省とビントゥアン省に集中的に居住している少数民族チャム族は、マレー、インドネシア系の民族で、その人口は16万人を超えています。インドシナ半島の強国として知られていたチャンパ王国を建設したチャム族は、伝統的な文化が豊かで、今もなおその文化の多くを保っています。その中で、民間遊戯は、コミュニティーの団結を強化するものとして、最も大切にされている文化の一つです。

チャム族の民間遊戯 - ảnh 1遊びをしているチャム族の子ども 

戦争など歴史の大きな変動があったにもかかわらず、現在も、チャム族の村では多くの伝統的な民間遊戯を見かけます。この10年間チャム族の文化を研究しているチャウ・ヴァン・フィンさんによりますと、チャム族の民間遊戯は労働と日常生活の中で生まれたもので、種類が多いです。フィンさんは次のように話しています。

(テープ)

「調べたところ、チャム族の民間遊戯の数は100を超えており、種類が豊富です。1人で遊ぶものもあれば、2人で遊ぶものもあります。そして、庭などで遊ぶものもあれば、祭りでしか遊ばないものもあります。」

チャム族の民間遊戯は簡単なものが多いです。数個の砂利石、数本の細い棒、数個の果物、数枚の葉っぱだけでも、楽しいひと時を過ごすことができます。先ほどの研究者フィンさんは次のように話しています。

(テープ)

「全ての遊びは、チャム族の日常生活と労働を反映するものです。中でも、畑仕事をするときの遊びが一番多いです。そして、漁をするときの、かわうそを捕まえるという遊びがあります。これらの遊びを見ると、チャム族の生活がわかるでしょう。」

チャム族の民間遊戯の中で、小鳥や鳶を捕まえた李、牛をつかうなどは、反射神経を試されるものである一方、綱引きは体力と団結心を高めるものです。そして、マンカラというゲームは、数字遊びで、算数や暗算能力が求められます。その他、捕虜を取り返すという遊びなど、歴史を物語る遊びもあります。

チャム族の民間遊戯は、その遊びを遊ぶ空間によって2種類に分けられます。一つ目は、庭や家、畑などで遊ばれる遊びです。2つ目は、祭りなどだけで遊ばれる信仰的な遊び。信仰的な遊びの代表は凧揚げです。チャム族は凧を先祖の化身で、祭りなどでは、先祖を思い出すため、必ず、凧揚げをしなければなりません。先ほどの研究者フィンさんは次のように話しています。

(テープ)

「チャム族の信仰的な遊びの一つは凧揚げです。どこの一族も自分の先祖を祀るとともに、祭りで凧揚げをしなければなりません。凧揚げをするとき、一族全体の平安を祈る儀式を行うのが一般的です。そのため、凧揚げは、平安を祈る遊びとも呼ばれています。」

信仰的な遊びのうちのもう一つの代表的なものはレスリングです。レスリングをする前に、決まった儀式を行わなければなりません。もちろんは、レスリングをする空間は祭りなどだけです。それ以外の場所で遊んではいけないという厳しいルールがあります。

こうした民間遊戯は、チャム族のアイデンティティの形成につながると見られ、現在も、チャム族の結束を守るために役立っていると言われています。

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