ムオン族の独特の暦

ムオン族の独特の暦 - ảnh 1
写真:mytour.vn

大昔、ムオン族の居住地ならどこでもドイ(Doi)というカレンダーが使われましたが、現在はホアビン省のムオンビ地区でしか使われていません。ドイは竹でできていて、ムオン族独特の暦です。ホアビン省、タンラク県、ムオンビ地区に住む祈祷師らはドイというカレンダーを保存、使用しています。

祈祷師のブイ・バン・カンさんは、ブイ・バン・トゥエンさんの新居建設の日取りを選んでいます。カンさんの話によりますと、今、この風習はムオンビ地区の人々しか守っていません。ムオンビの住民は結婚式の日取り、畑仕事や魚の捕獲を行うに際してもドイ・カレンダーに従います。カンさんはつぎのように語りました。

(テープ)

「ムオン族は同じ正月を祝い、稲作りも同じで、年に2期作やっています。しかし、ドイ・カレンダーの1年は12ヶ月ありますが、一本の竹棒が1ヶ月となりますよ。」

ドイ・カレンダーは12本の竹の棒でできてきます。一本の長さがおよそ20センチ、幅3センチで、その上に30日を表す30本の線が刻まれています。ドイ・カレンダーと呼ばれる理由は一年間の月日をドイという星の移動に従って分けられているからです。ドイ星は月より早く移動しています。ドイ星と月との位置の変化が一年の月々によって異なります。ドイ星の移動を基に一年間の日、月が区別されるとしています。

毎年、祈祷師らは山に登ったり、広い地域に赴くなどしてドイ星の様子を観察して、自然災害を予測します。また、ムオン族はドイ星の移動を基礎に、月日を区別します。それぞれの竹の棒に30のラインが刻まれますが、その長さは違います。カンさんの説明によりますと、矢印付きのラインは台風の日を指すことが分かりました。カンさんは次のように話しました。

(テープ)

「30日の中にはいい日もあれば、悪い日もあります。カ(Ca)という日はいい日とされており、どこに行っても、どんなことをしても良いです。ムオンビの住民はこのカレンダーに基づき、住居の建前の日取りを選びます。しかし、他の地方に住むムオン族の人々はキン族のカレンダーの陰暦に従うのです。私たちは稲作をする時もこのカレンダーに従います。キン族の暦では、いい日でも、ムオン族の暦では悪い日の場合もあります。」

カンさんは30年間にわたり祈祷師をしていますが、ドイ・カレンダーを宝にして住民のために結婚式や葬儀の日取りを選んできました。ムオン族はドイ・暦と共に陽暦も使用しています。ブイ・バン・トゥエンさんは「若者はドイ・カレンダーを知っていますが、使い方が分からない」と明らかにし、次のように語りました。

(テープ)

「今、ドイ・カレンダーにあまり関心を払っていません。おそらく35から40歳になると、使い方を習い始めると思います。何か行事があったらお年寄りにムオン族独特のカレンダーを調べるよう願わなければなりません。陽暦はいい日なのに、ムオン族の暦ではいい日でない場合もありますよ。」

ドイ・カレンダーは陰暦より15日遅れています。それで、ムオン族の人々は2回正月を祝います。1回目は旧暦で、もう1つはドイ・暦です。ドイ・カレンダーはベトナム文化に重要な一翼を担っており、太陽・月および太陽系の諸惑星の地球から見た位置を基に天気を予報する昔のベトナム人の占星術を示しています。今も、ムオン族はこのカレンダーを宝として扱い、そのガイダンスを信じています。

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