モン族の土壁の家

(VOVWORLD) - 土壁の家は、ドンヴァン高原の厳しい天候に応えられ、夏は涼しい、冬は暖かいという効果があると言われています。

中国と国境を接している北部山岳地帯のハザン省メオバク県にあるドンヴァン高原は高い山々が広がる壮大な自然風景で有名で、国内外の観光客の多くを魅了しています。そして、少数民族モン族の土壁の家はこの地の美しさの一つで、観光の目玉スポットの一つとなっています。

モン族の土壁の家 - ảnh 1 モン族の土壁の家

ベトナムには54の民族が共存していますが、その中でも、モン族は最も多い少数民族として知られています。モン族は北部山岳地帯のハザン省をはじめ、ライチャウ、ソンラ、イエンバイ各省に集まっています。居住地によって、モン族の住居は異なりますが、一般的は木材や土で作られます。その中で、ハザン省のドンヴァン高原に住むモン族の家は壁が土で固められた土壁の家です。土壁の家は、ドンヴァン高原の厳しい天候に応えられ、夏は涼しい、冬は暖かいという効果があると言われています。

ドンヴァン高原に住むモン族の家の特徴は土で固めた壁です。木の板を使って壁の型を作ります。その型は、長さ1.5メートル、幅0.5メートルほどです。木の根やごみ、大きい石を取り除いた土を型に入れて杵で搗いて固めます。土の壁を固めるのはとても大変な作業で、村の若者数十人に頼まなければなりません。壁を固めてから、家主の年齢にいい日を選んで、森へ家の柱や屋根の枠に使われる木を切りに行きます。

モン族の土壁の家 - ảnh 2

モン族の家は大きさを問わず、部屋を3つ、ドアを2つ持たなければなりません。真ん中にある部屋は祖先の祭壇が置かれる場所で、最も大切で大きな部屋です。これはまた、接客間であり、家族全員の共用の室でもあります。左の部屋は寝室と台所です。そして、右の部屋はお客さん用の寝室です。ドンヴァン高原に住むモン族の土壁の家を訪れた観光客ハー・ティ・リエンさんは次のように話しました。

(テープ)

「家に入ると、広い空間の中にいるような心地よい感じがします。また、家の庭には玉石を敷いたところがあって、そこで遊ぶ子どもの様子を見ていると平穏な感じがします。」

家の2つのドアの中、正門は良質の木で作ります。小門は葬儀に使われますが、正門は棺を家から出すときのみ使われます。ドアの特徴はヒンジや閂などが鉄製ではなく、木製でなければならないということです。人間の心に例えられるドアは、ヒンジや閂が鉄製であれば、刀のようであるので、家主の心を示すことができないからです。

モン族の土壁の家 - ảnh 3

ドンヴァン高原に住むモン族の家のもう一つの特徴は石が重ねられた塀があるということです。面積2、300平方メートルぐらいの土地の塀を建てるには数か月かかります。これらの石はサイズも形も様々ですが、結合剤を全然使わなかったものの、しっかりとした塀になります。ドンヴァン高原に住むモン族の一人タ・ミン・チョさんは次のように話しました。

(テープ)

「モン族の人々は、家を守るために、石の塀を建てます。そして、風防の効果もあって、冬の寒さ対策の一つとなっています。」

石の塀に沿って、桃や梅、プラムなどの木が植えられるのが一般的です。春になると、これらの木並みは花が咲いて、家の美しさを増します。そのため、春は、ドンヴァン高原の美しさを楽しむ最高の時期です。

現在、ドンヴァン高原のモン族は現代的な生活に慣れつつありながらも、依然としてかつての伝統的な土壁の家を大切にしています。

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