(VOVWORLD) - モン族の犬は、ベトナムの貴重な4種類の中の一つです。
ベトナム北部山岳地帯ラオカイ省は、避暑地サパがあることで世界的に有名ですが、少数民族の生活を反映するバクハ市場でも知られています。この市場は、少数民族の生活に使われるものを売るところであり、少数民族モン(Mong)族の尻尾が短い犬を売るところでもあります。
バクハ市場 |
サパから100キロ離れたところにあるバクハという小さな町で、毎週日曜日に開かれる定期市場があります。そこでは、Bac Ha周辺の村に住む女性たちが、週に一度のお洒落をし、買い物にやってきます。この市場は、カラフルな民族衣装を身に着けた花モン族の女性たちにとって、生活の場でもあり、毎週楽しみにしている交流・出会いの場でもあります。中には、3,4時間かけて徒歩で通ってくる女性たちもいるほどです。
バクハ市場は、ナイフやクワなどを売る空間、錦織などを売る場、食べ物を売る場、そして、動物を売る場所といった4つの売り場に分けられています。動物を売る場所には、水牛、鶏、子豚、犬などがいますが、犬は、地元の人々だけでなく、観光客でも買い求められます。ここの犬は、ベトナムの貴重な4種類の中の一つなのです。
この犬は「モン・コック(Mong Coc)」と呼ばれます。その中で、Mongはモン族を、Cocは、尻尾が短いことを指し、尻尾が短いモン族の犬という意味です。その名の通り、この犬の最も大きな特徴は、尻尾がない、または、短いということです。もともと猟犬であった「モン・コック」犬は、体重がわずか20キロ前後ですが、とても強くて敏速です。また、一度行ったことがある道は決して忘れられないということもこの犬の特徴の一つです。そして、「モン・コック」犬は、その忠実性としても有名です。
モン族にとって、「モン・コック」犬は昔から、親しい友達であり、幸運をもたらす動物でもあります。そのため、市場でこの犬を買うことは家族の重要な出来事です。バクハ県バンフォ村に住むモン族の一人ザン・セオ・センさんは次のように話しました。
(テープ)
「モン族にとっていい犬を買うことは幸運を買うことを意味します。その犬を家へつれて帰ることは、家に幸運をもたらすという意味です。」
近年、「モン・コック」犬は、モン族の居住地だけでなく、ハノイやハイフォンをはじめ、多くの地方で飼われています。そのため、バクハ市場は、「モン・コック」犬を買い求める他の地方から来た人で賑わっています。北部タインホア省から来たタ・ヴァン・タインさんは次のように話しました。
(テープ)
「ここにはいい犬がいることを聞いてこの市場へ来て買い求めることにしました。バクハ市場で、いい犬をたくさん見て、2匹買いましたよ。」
バクハ市場は少数民族の文化を体験するところだけでなく、貴重な犬「モン・コック」を買うことができるところでもあります。