ラオカイ省に住むザイ族の結婚


ハノイから北へ200キロ離れたラオカイ省は6つの少数民族が住んでおり、少数民族の豊かな文化で知られています。それらの少数民族の一つであるザイ族は結婚を大事にしていますが、結婚相手を決めるには貧富を問わず、その人の道徳及びその家族の家風が大切です。


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ザイ族の女性(写真:dantocviet.vn)


昔、ザイ族は、子供の結婚相手は親が決めました。親は子供の結婚相手を探すため、親族や親友に紹介してもらいます。親たちは農閑期を利用して親族や親友を訪れ、子供の結婚相手の紹介を頼みます。

いい相手が見つかると、子に紹介します。その二人は歌垣などを通じて相手のことを探ります。もし、愛情が芽生えたら、二人の家族に報告し、結婚式の開催をお願いします。

ザイ族の結婚は顔合わせ、結納、結婚式という3つの段階が含まれます。

ラオカイ省サパ県タヴァンザイ村に住むサン・チャンさんは次のように話しました。(テープ)

「もし、両家がお互いに知り合いなら、顔合わせは要りません。でも、知り合いでなければ、「顔見せ・家見せ」という習慣があります。

男性なら、「顔見せ」は大切ですが、その一方、女性は「家見せ」がしたいです。女性はその家族の嫁になる前、その家族の家風や状況などを知りたいのです。

女性が同意すれば、彼女の家族は、「命の手紙」と呼ばれる彼女の星占いを男性の家族に手渡します。男性の家族はその星占いを占い師に持ってきて男性の星占いと合うかどうかを見てもらいます。

もし、合えば、男性の家族は女性の家族に鶏2羽を持ってきて、結納を申し込みます。」

結納式では、男性の家族は結納品として鶏とアヒル2羽ずつと40キロぐらいの豚を女性の家族に持参します。一方、女性の家族は婚礼用品を求めます。

ザイ族の習慣では、婚礼用品は3種類あります。一つ目は結婚式で招待客にふるまうお酒と食べ物。2つ目は銀のネックレスや新しい衣装など花嫁にあげる持参金。3つ目はコメで、花嫁の世話をしていた女性の親への感謝を意味します。

ザイ族は、結婚式が盛大であればあるほど、その新夫妻の幸福がさらに長くなると信じています。ですから、結婚式は、より大勢が参加できるように、農閑期である旧暦の10月から翌年の2月まで行われることが普通です。


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ザイ族の結婚式(写真:langvietonline.vn)


ザイ族の花嫁を迎える儀式には、様々な決まりがあります。その中で、儀式に参加するメンバーの決まりです。

まずは、幸せな家族で口がうまいお年寄りの男女2人ずつ。次は花婿介添人をする未婚男性1人と花嫁を介添する未婚女性2人、そして、花嫁が乗る馬をあやつる花婿の弟がいます。その他の人は結婚用品を運ぶ人々です。

サン・チャンさんは次のように語りました。(テープ)

「花嫁を迎えるため、花嫁の家族は2つの門を設けます。1つ目の門の真ん中にはテーブルがあって、そのテーブルの上にはお酒を入れた8つのカップが置いてあります。

門の前に来た花婿の家族は花嫁の家族と歌を掛け合います。昔、1つ目の門で、とげがたくさんある枝や「ありの巣」も置かれました。

2つ目の門は同じですが、前の儀式がより簡単です。2つの門を終えた花婿の家族は花嫁の家に入るため、花嫁の家族に謝礼をしなければなりません。」

花嫁の家に入った花婿と花婿介添人は先祖の祭壇の前で儀式をします。花嫁を家から出す前に、花婿、花婿介添人と花嫁はお年寄りの指導に従って先祖の祭壇の前でもう一回儀式をします。

花嫁が家を出るとき、花婿の家族は、花嫁の家族が作ったお酒を飲み干すほか、花嫁をその家族の手から引き出さなければなりません。

チャンさんはこの習慣について次のように説明しました。(テープ)

「花嫁が家を出ようとした時、花嫁の親族は彼女の服を引っ張ったり、体を抱いたりして、花嫁と離れたくないという気持ちを表します。また、花婿の家族はその親族にも謝礼をしなければなりません。これらは手続きだけです。」

花嫁と花婿が結婚式で着る服装はふだん着るものとはあまり変わりません。サパ県に住むヴァン・ティ・ノンさんは次のように話しました。(テープ)

「花嫁は実家を出るとき、服装や布団などを入れるスーツケースを持参します。赤いマフラーをかけて赤いリボンで髪を結び、普通の青い服装を着るだけです。でも、花嫁の家で先祖を祭る儀式をするとき、黒い服装に着替えます。

また、花嫁は実家から花婿の家へ行く時、履いた靴を花婿のお母さんに見られないようにしなければなりません。その靴は花嫁の親族が実家に持ち帰ります。」

また、花嫁は実家を出る前に、胸に小さい鏡をかけると共に、ねぎ、にんにく、種、鶏1羽を持っていきます。

鏡は2つの意味があります。鏡のように、きれいさをそのまま保つこと。2つ目は魂などをはらすためという意味です。

ねぎ、にんにくと種は繁殖を意味します。鶏はオスでなけばなりません。ザイ族の人々はオスの鶏はお化けを殺すと考えているからです。

ザイ族の人々にとって花嫁の家に入る瞬間は新しい生活の節目であり、非常に重要です。ラオカイ省バットサットに住むホアン・ヴァン・ガンさんは次のように語りました。(テープ)

「花嫁が夜明け前に家を出るのは普通です。花婿の家に入る時間は陽が出る前にするのは一般的です。玄関の前は、赤い布で覆う階段を作って、新夫妻が一緒に階段にのぼるのは花婿の家族の一員になることを意味します。」

その後、花嫁と花婿は先祖の祭壇の前で儀式を行ないます。その瞬間に、花婿の家族の正式メンバーになります。

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