(VOVWORLD) -ベトナム北西部ソンラ省に集中的に居住しているラハ族はベトナムで人口が最も少ない少数民族の一つです。2009年の国勢調査によりますと、ラハ族の人口はわずか8200人ですが、多くの独特な風俗習慣を持っています。その中で、幸運などを祈る「パンア」(Pang A)というお祭りは最も重要です。
パンア祭りは毎年春に行われるのが一般的です。この祭りは、幸運をはじめ、豊作や健康を祈るほか、村人を守ってくれる神様に感謝の気持ちを表すためのものです。祭りを主催するのはその地に住む最も有名な祈祷師でなければなりません。祈祷師は神様と人間とのつながりという役割を果たしていると考えられているのです。
ソンラ省ムオンラ県ナタイ村に住む祈祷師ロ・ヴァン・ファンさんは次のように話しています。
(テープ)
「パンア祭りは昔からありますが、毎年行われるわけではありません。豊作の後だけ行われます。パンア祭りを行うのは幸運や健康を祈るだけでなく、村人が楽しいひと時を過ごすためです。」
パンア祭りの主催者である祈祷師は、祭りで使われるお供え物として豚を2頭用意します。一方、村人は、自分で作ったりするお酒やもち米、鶏、アヒル、果物などを持ち寄ってお供えします。
パンア祭りの儀式は祈祷師の家の中央の部屋で行われます。この部屋は、バナナの木やサトウキビ、そして、竹でできた鳥、セミ、馬などで飾られます。儀式で、祈祷師は、天の神様と、山や川の神様、そして、先祖を招いて村人の豊作と健康、平穏な生活を祈ります。
その後、村人は自分のお供え物を出して拝みます。儀式の後、祈祷師は、これらのお供え物を神様のプレゼントとして村人に配ります。その後、村人は、踊ったり歌ったりしながら、宴会を楽しみます。パンア祭りは、若者たちが交流して結婚相手を探すチャンスとみられています。
ソンラ省ムオンラ県ナタイ村に住むラハ族の一人クアン・ヴァン・チュンさんは次のように話しています。
(テープ)
「パンア祭りで、神様にお供えものを出して儀式が終わらなければ、踊ったり歌ったりするのはだめです。祭りには、周辺の人たちがたくさん集ってくるので、祭りを通じて結婚相手が見つかる人が多かったです。」
現在、生活が大きく変わっていますが、ラハ族は依然としてパンア祭りを大切にしています。