ルー族のお歯黒という美意識

(VOVWORLD) - 女性の美しさはお歯黒とされています。歯が濡れ羽色であれば、その女性は美人であると称賛されます。

ベトナムの54の民族の中で、少数民族ルー族は、生活様式や風俗習慣などを昔のまま保っている民族の一つです。北西部山岳地帯のライチヤウ省に住むルー族の人口はわずか6千人です。ルー族の風俗習慣の中には女性がお歯黒をする習慣があります。お歯黒は女性の美しさを決めるという考えは昔のままで変わりません。

ルー族のお歯黒という美意識 - ảnh 1 ルー族の女性

この民族の女性は、織物や刺繍がとても上手で、それは、男性が結婚相手を探すときの条件の一つです。しかし、女性の美しさはお歯黒とされています。歯が濡れ羽色であれば、その女性は美人であると称賛されます。かつては女性が結婚したいとなれば、必ず歯を黒く染めなければなりませんでした。そして、もし経済的に余裕があれば、歯を2本金で包んだ女性はより多くの男性の注目を集めていたようです。

ライチヤウ省タムドゥオン県バンホン村に住むロー・ヴァン・ガンさんは、「この習慣はいつ始まったのかわからないが、ルー族の最も重要な習慣になった」と述べ、次のように話しました。

(テープ)

「ルー族の習慣として、女の子が13、14歳になったら、歯を黒く染めなければなりません。お歯黒は死ぬまで、または、歯が抜けるまでずっと女性の生涯と共にします。」

お歯黒の原料は、昆虫のラックカイガラムシが分泌する樹脂(ラック)をアルコールに溶かしたセラックニス、レモン汁、「フェンデン」という木の葉などで、すべてが自然から取れるもので、安全性は高いです。セラックニスとフェンデンの葉を細かく潰してから、レモン汁とともによく混ぜて歯に染めます。毎日か数日に一度、染め直す必要があります。ライチヤウ省タムドゥオン県ビンル村に住むルー族の女性の一人タオ・ティ・エンさんは、この50年、毎晩お歯黒をする習慣があると語り、次のように話しました。

(テープ)

「私は14歳からお歯黒をしてるわ。ルー族の女性ならば、だれもがお歯黒をしなくちゃならないのよ。これは女性をより美しくするほか、虫歯予防の効果もあるの。晩ご飯の後、囲炉りのそばに座ってお歯黒をする習慣があります。お歯黒をしないと、寝るとき何となく気分がよくないみたい、、、」

現在、お歯黒をする若い女性が増えていますが、ルー族の村に足を運ぶと、お歯黒が流行っている昔に戻ったように、黒い歯で素敵な笑顔を交わす女性たちの姿をよく見かけます。

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