(VOVWORLD) - ラハ族は自らの伝統を守る意識が高く、現在も、多くの伝統的祭りを頻繁に催しています。
ベトナム北西部ソンラ省に集中的に共住しているラハ族はベトナムで人口が最も少ない少数民族の一つです。2009年の国勢調査によりますと、ラハ族の人口はわずか8200人でしたが、多くの独特な風俗習慣を持っています。
ラハ族の祭り |
ラハ族は昔、ほかの民族と離れて山奥で暮らしていますので、農作業があまり発展しませんでした。しかし、現在、周辺の民族とよく交流したり、一緒に住んだりしています。タイ族やザオ族の人々が一緒に住んでいるラハ族の村は少なくありません。これにより、ラハ族の人々は労働の面でも生活面でもより新しい知識を身につけられるようになりました。ライチヤウ省タンウィエン県に住むラハ族の一人ホアン・ヴァン・テンさんは次のように話しています。
(テープ)
「かつて、ラハ族は山の小さな谷川のそばで畑を作って稲作をするだけでした。その後、タイ族の水稲のやり方を学びました。水稲は家に近いし、収穫量も多いですよ。」
ラハ族は約10軒ほどの家が集まる村に住むのが一般的です。家は高床式で、入り口は2つあります。一つはお客さん用で、もう1つは日常生活の中で使われます。
ラハ族は父系制社会で、子どもはもちろん、お母さんもお父さんの名字を持っています。ラハ族の結婚は昔から伝わる習慣に従って行われます。その中で、男性の家族は、女性を扶養することへの感謝の気持ちを示すものとして、女性の両親に一定のお金を支払うという習慣がラハ族の婚姻の特徴です。そして、男性は結婚する前、一定の期間で女性の家に住まなければなりません。結婚後、女性は男性の家に移り、旦那さんの名字へ変わります。
ラハ族は布などを織ることができませんが、カゴなどを編むのが得意です。先ほどのホアン・ヴァン・テンさんは次のように話しています。
(テープ)
「ラハ族の人々は、大きさを問わず様々なかごを編むことができます。そして、畳やマットもできますよ。ただ、布などは織りませんので、編み物をタイ族の服装と交換しています。そのため、ラハ族はタイ族と同じ衣服を着ています。」
ラハ族は年中多くの行事や祭りを行っていますが、その中で最も大きくて重要な祭りは、神様に豊作を祈る「ホア・マン」という祭りです。祭りの準備作業は1か月ぐらいかかりますが、祭りのお供え物は厳格に選ばれるのです。祭りで祭られる神様は3人います。その中で、トラは、野生動物の力を象徴するもので、村人の守護神として見なされています。また、ヤマアラシは土地の神様の化身で、人間が労働で収めた成果を守るという役割を果たしています。そして、カッコウ鳥は鳥の神様の化身で、畑を守るという役割を果たしていると考えられています。
ラハ族は自らの伝統を守る意識が高く、現在も、多くの伝統的祭りを頻繁に催しています。