少数民族マ族の文化

(VOVWORLD) - ベトナム中南部に居住しているマ(Ma)族はわずか4万人の人口を擁する少数民族ですが、豊かな文化で知られています。現在も、多くの伝統文化が保たれています。
少数民族マ族の文化 - ảnh 1マ族の人たち 

マ族は、「ボン」(Bon)と呼ばれる村に集まって生活を送っています。かつてのボンは、5軒から10軒の大きな高床式の家がありました。それぞれの高床式の家は、一族の住まいのところでした。その一族のそれぞれの世帯はコメの倉庫と台所を持っていましたが、他は共用していました。しかし、現在は、依然として高床式の家に住んでいますが、それぞれの世帯は小さい家に住むようになりました。

マ族の伝統文化について触れるならば、錦織を抜きにして語ることはできません。マ族の錦織は古くから伝わる職業です。手織りの錦はエレガントな模様が取り入れられ、マ族の文化や人柄を表すとされています。マ族の女性は10才ごろになると、母親から錦の織り方を教わります。女性ならば、誰もが錦を織ることができます。マ族出身の女性たちの手先の器用さで作られる独特な衣服や布団、絨毯などはよく知られています。特筆すべきは、木で造られたとてもシンプルな織機で、女性たちが綺麗な紋様がついた錦を織れるということです。現在、工場で作られた布が流行っていますが、マ族の女性たちは昔のように、織機できれいな錦を作っています。

ラムドン省バオロク市ダギック村に住むカ・トアさんは次のように話しました。

(テープ)

「小学校4年ころから、母に錦織を教えてもらいました。ほとんどの技は身につけたけど、お年寄りから特別な技を習いたいですね。錦織はマ族の独特な文化の一つで、先祖代々から伝わるその文化をどうしても守りたからね。」

少数民族マ族の文化 - ảnh 2 マ族のドラ演奏

マ族は農業を本業としていますが、豊作か不作は天をはじめ、稲の神、森の神、水の神など神様が決めるものであると考えています。そのため、農業に関わる神様を祀る儀式はマ族の文化を支える柱の一つと言えます。その中で、マ族にとって最も重要な行事は、水牛を"生け贄"として神様に豊作の感謝を示す新米祭りです。

しかし、新米祭りは毎年行われるわけではありません。新米祭りを行うかどうか決めるのはその年の収穫量によります。

この祭りの準備作業は1か月ぐらいかかることから、その祭りの重要さがわかるでしょう。少数民族の文化の研究者グエン・ダク・ロックさんは次のように話しました。

(テープ)

「祭りのお供え物は、ヤギ、アヒル、鶏、お酒などですが、マ族の人々の考えでは、ヤギは森林の神、アヒルは水の神、鶏は日常生活を象徴するものなので、新米祭りに欠かせないお供え物です。」

マ族は、豊かな伝統文芸でも知られています。その中で、ドラはマ族にとって最も重要な楽器です。ドラは、マ族のすべての行事や儀式で演奏され、この民族の精神生活に欠かせない存在です。

現代生活の影響で、マ族の伝統文化は薄くなったところがありますが、依然としてこの民族の日常生活で大切にされています。

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