(VOVWORLD) - ベトナムで最も多い少数民族の一つであるモン族は、旧暦の11月26日から伝統的お正月を楽しみます。モン族の独特な文化を理解するためには、この民族のお正月を体験することが重要です。
モン族の人々にとって正月は、1年間の苦労をねぎらう休みの時期になります。そのため、稲作や畑仕事などの農作業が11月に終わることから、お正月は11月26日に始まることになりました。
昔、自給自足の生活を送っていたモン族は、近年、自作のものを市場で売ったり、必需品などを市場で買ったりするようになりましたが、お正月に先祖を祀る儀式で使われるお供え物はどうしても自分自身が作ったものでなければなりません。これは新年に自分の仕事が順調発展することを期待するという意味です。
ソンラ省モクチヤウ県に住むファム・ヴァン・ザンさんは次のように話しました。
(テープ)
「モン族のお正月は諸文化をはじめ、昔から伝わる独特な文化が保たれています。お正月のお供え物は、自家製の豚肉や鶏肉、コメ、野菜などから作られます。これはモン族ならではの文化の一つです。また、お正月に着用する衣服も自分で作ります。お正月に、モン族の人々は互いに訪れて新年のお祝いをします。これは、コミュニティーのつながり強化に役立つとされています。お正月の3日目からは、スポーツや文化活動などを行い、村人が全員熱心に参加します。」
モン族の正月料理の中で、どうしても欠かせないのはお餅です。女性は、最もおいしいもち米を選んで炊きます。その後、男性はそのご飯をよく潰してお餅をつくります。お餅は、豊作を与えてくれた神様と先祖に感謝の気持ちを示すとともに、お客さんをもてなすメイン料理です。
ソンラ省トゥアンチヤウ県に住むヴ・ア・スアさんは次のように話しました。
(テープ)
「わが村では、お正月に祭壇に置かれるお供え物として必ずお餅があります。また、すべての家族は自分の家で育てた豚や鶏を使って正月料理を作ります。そして、モン族の伝統的な遊びやスポーツを行ったり、伝統民謡を歌ったりするなど、お正月を楽しく過ごします。」
モン族の人々にとってお正月は、正月料理を味わって新年のお祝いをするとともに、石弓などスポーツや遊びを楽しむチャンスでもあります。モクチヤウ県に住むヴァン・ティ・シュさんは次のように話しました。
(テープ)
「お正月は、様々なスポーツが行われ、年齢を問わず村人が全員遊びますよ。お正月は、美味しい食べ物を食べたり休んで、遊んだりするチャンスです。また、子どもにとってお年玉をもらうチャンスです。」
そして、モン族のお正月について触れるならば、生活に使う道具や農具、家具も休ませるという習慣を抜きにして語ることができません。
モン族の人々の考えでは、農作業に使うスキやクワ、シャベルなどは一年間がんばってくれたので、正月には休ませます。これは、一緒に働いてくれた道具を大切にするという考えから生じた習慣です。そのため、正月前に大掃除をして、道具や家具をきれいにした後、大晦日にすべてに自分のサインをした紙を張って封印します。生き物でない道具なども休ませるこの習慣は、観光客にとって特に印象に残ることでしょう。