西北部の少数民族タイ族式のお酒の呑み方

(VOVWORLD) - 西北部に居住している少数民族タイ族はお酒を飲む前に、どうしてもお酒を数滴だけ外に注がなければならないという習慣があります。これは、亡くなった人への思いを示すもので、タイ族ならではの文化となっています。
西北部の少数民族タイ族式のお酒の呑み方 - ảnh 1タイ族の踊り 

タイ族の人々の考えでは、生きている人間はいつも、亡くなった親族の魂にお世話をしてもらっています。その魂はいつも、その人と共に行動しており、不運などが訪れないようにしてくれているということです。そのため、お酒を飲むとき、まずお酒を数滴外に注ぐのは、お世話になっている魂に感謝の気持ちを示すのです。ソンラ市モン村に住むタイ族の一人トン・ヴァン・ソムさんは次のように話しています。

(テープ)

「タイ族の人々の考えでは、いつでもどこでも、亡くなった親族の魂がお世話になっていますので、食事するとき、その魂も食べたくなります。食べさせなければ、その魂はお世話をしなくなる恐れがあります。そのため、食事する前に、お酒をちょっと外に注いで、その魂を食事に招待しなければなりません。そうすれば、その魂は離れずに、いつも一緒に行って、幸運に会うように世話してもらうということです。」

食事の前に、お酒だけでなく、ご飯やお肉も少し差し出して、魂を先に食べさせる人がいます。こうした人は普通、お父さんかお母さん、あるいは結婚相手が亡くなった人です。

西北部の少数民族タイ族式のお酒の呑み方 - ảnh 2 タイ族のお祭り

そして、畑仕事をするときや、森へ行くとき、お酒を飲まなかったものの、食事する前に、ご飯やお肉を少し出して、神様を招待する習慣もあります。これは、山の神様や川の神様に、幸運にあうよう祈るためです。

妻の両親をはじめ、大切なお客さんを食事に招待する場合、食べる前に、二つの杯のお酒を用意しなければなりません。このお酒は、食事中ものまず置いたままにしておくのが、お客さんへの尊敬を示すためのものです。食事が終わってお客さんが帰る前に、二つの杯をお客さんに飲ませます。先ほどのタイ族の一人ソムさんは次のように話しています。

(テープ)

「重要なお客さん、特に、妻の親族が訪れる際、食事をする前に2つの杯のお酒を用意してお盆の隣に置きます。これらのお猪口にお酒を注ぐ前に、食べたり、飲んだりしてはいけません。これは、お客さんへの尊敬を示すためです。お客さんが訪れれば、そのお客さんの世話をする魂も一緒に来ますので、それらのお猪口はその魂にあげるという意味もあります。」

お酒を飲むとき、まずお酒を数滴外に注ぐ習慣がいつ始まったのはわかりませんが、現在も、依然としてタイ族のコミュニティーに定着しています。ソンラ市ヒン村に住むタイ族の一人クアン・ヴァン・フンさんは次のように話しています。

(テープ)

「私たち若者は、お酒を飲むとき、いつも数滴のお酒を外に注ぐという伝統的な習慣を守っています。これは、伝統文化を保つと共に、やると、安心するようになるという効果があります。」

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