ベトナム農業農村開発省はエビ養殖産業発展計画を立案中で、2025年までにエビ輸出額を100億ドルにするという目標を掲げています。この数年、ベトナムのエビ養殖産業は順調に発展し、世界市場における地位が日増しに高まっています。
ベトナム産エビ(写真:tepbac.com)
現在、ベトナムは100の国と地域にエビを輸出しており、中国とインドネシアに次いで、世界第3位のエビ生産国となっています。また、日本向けのエビの輸出国の中で、第1位、アメリカ向けで3位、EU=欧州連合向けで4位に立っています。ベトナム水産物加工輸出協会のチュオン・ディン・ホエ事務局長は次のように語りました。
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「以前は自然に生息するエビを水揚げしたので価格が高かったです。今はロブスターなどの種類を養殖できるようになったことから、価格が値下げされました。これにより、エビの供給源の拡大や消費の促進、及びエビの価値の増加に寄与するでしょう。」
農業農村開発省・水産総局の水産物養殖部のヌ・バン・カン部長によりますと、今年第1四半期、水産部門はエビ養殖産業発展に関する行動計画を作成し、農業農村開発省に提出するとともに、関係各省庁や専門家の意見を集約した後、政府に提出する予定です。カン氏は次のように語りました。
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「養殖地域を拡張せず、生産効率の向上と生産量の増加に集中する方針です。養殖面積を60万ヘクタールから70万ヘクタールにする計画です。これに基づき、淡水エビの養殖を再計画し、生産量と価値の向上を目指しています。」
農業農村開発省のブ・バン・タム次官によりますと、2025年までにエビ輸出額を100億ドルにするという目標の達成に向けて、水産部門は科学技術の開発、とりわけ稚エビの開発、餌の生産、疫病の抑制に取り組むと同時に輸出市場の開拓や、各国の保護主義、技術障壁への主体的対応に力を入れる姿勢を固めました。
今年中、エビ養殖産業の発展に関する行動計画の作成に際し、適切な措置を取るとしています。タム次官は次のように強調しています。
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「エビ養殖を集中的に行なうことに際して、先進的な科学技術の導入を進め、生産効率の向上を目指します。現在、エビ養殖面積は14万ヘクタールですが、今後、数十万ヘクタールに増やす可能性があります。また、淡水エビの生産量は1ヘクタールにあたり4トンから6トンないし8トンに引き上げる目標を定めました。さらにエビ養殖への企業の投資誘致や共同生産組合の設立を進めるような優遇政策を打ち出す必要があります。」
この数年、気候変動、とりわけ、塩害により、農業生産が深刻な被害を受けている背景の中で、輸出用エビの養殖や生産構造の移行は効果的な解決策であると評されています。グエン・スアン・フック首相は今後、エビ養殖産業をベトナム農業の主力の輸出部門へと発展させる必要があると強調しました。