昨年末、ベトナム東北部クアンニン省は中国南部を隣接する「ホアンモー・ドンバン」や、「モンカイ」という2カ所の国際検問所における経済区の発展計画と2030年までのビジョンを公表しました。これは、省内の国境地帯にある各県と村の経済社会発展事業にとって有益なものと見られています。
ホアンモー国際検問所(写真:Qtv)
中国・広西チワン族自治区防城港市と接するホアンモー国際検問所にある「ホアンモー・ドンバン」経済区は、中国との商取引の強化や、経済構造の転換、住民の生活改善に寄与すると期待されています。
この経済区が位置するビンリェウ(Binh Lieu)県党委員会のカオ・トゥオン・フィ委員長は「この経済区は国内外の投資家にとって魅力的な投資先になる」との確信を示した上で、「中国側もこの経済区を活用するために、この検問所から防城港市に良く道路を建設する計画を立てるなどして、色々な措置をとっている」と明らかにしました。フィ委員長は次のように語りました。
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「私たちは、政府と各企業への依存度を削減する方針を打ち出しています。自分の力、自分の潜在力で、富を手にする必要があると思います。わが県に投資する各企業は成功すると信じています。」
一方、「モンカイ」経済区は、グエン・タン・ズン首相が経済社会発展計画と建設計画を承認したものです。中国・東興市に隣接するモンカイ国際検問所にあるこの経済区は面積が12万1000ヘクタールで、モンカイ市や、9つの村、1つの町を含んでいます。クアンニン省は、貿易・観光・工業をこの経済区の柱をして発展させる方針です。
同省商工局のグエン・ゴック・トゥイ副局長は次のように語りました。
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「この発展計画は、投資家の投資計画立案に役立つと思います。特に、ベトナムがTPP=環太平洋経済連携協定をはじめ複数の自由貿易協定を交渉・締結していることは我が省の競争力の向上に寄与します。」
実際、この計画が発表された直後、多くの投資家が、これらの地方にやってきて、投資チャンスを探っています。輸出入企業ゴックハー社のチャン・マイン・フン副社長は次のように明らかにしています。
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「以前は、投資しようとするとき、現地調査や、場所探しなどを行う必要があり、とても時間がかかりました。現在は、具体的な計画があるので、便利です。特に、これは長期計画なので、安心して投資できるようになります。」
一方、旅行会社ハイサムラー社の幹部グエン・ティ・タイン・フゥエンさんは「クアンニン省行政当局による優遇措置や、インフラ整備などにより、観光サービスも迅速に発展している」と明らかにしています。フゥエンさんの話です。
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「最近、我が社は、投資チャンスを探るためにモンカイ町を視察するベトナム人投資家と中国人投資家多数にサービスを提供しています。彼らは、地元の潜在力を高く評価しています。今後、ヨーロッパ諸国の投資家もここにやってくると信じています。」
クアンニン省人民委員会によりますと、発展計画が公表されてからこれまで、「モンカイ」経済区は20件のFDI=外国直接投資プロジェクトを誘致してきました。
一方、「ホアンモー・ドンバン」経済区で登録されてきた投資額は1兆1000億ベトナムドン(約60億円)に達しています。そして、近いうちに、交通や、インフラ整備、文化、貿易、サービス業、医療、電力、浄水、排水、環境、農業、工業などの分野に関連する40件のプロジェクトが実施されるとしています。