先週、ベトナム東北部のクアンニン省・投資振興会議がユネスコにより世界遺産として認定されたハロン湾に面したハロン市で開催され、国内外の投資家、エコノミスト、政策策定者など約1200人が参加しました。会議では、「クアンニン省は国内外の投資家の注目を集めているものの、本当の魅力的な投資先になるためには、地元の利点や潜在力、メリットを徹底的に活用しなければならない」との意見が相次ぎました
会議の様子
クアンニン省はリトルベトナムと呼ばれています。というのは、同省は海や、島、森林、山、国境、鉱産物などベトナムのすべての自然的な要素があるからです。同省は、250キロの海岸線を持ち、その中でも、豊かな漁場と世界遺産のハロン湾があります。また、全国の総埋蔵量の9割を占める炭鉱、貿易活動が活発な国際検問所が数カ所もある130キロもの中国との国境線、北部重点的経済地域を結ぶ戦略的な地理的条件、ASEAN東南アジア諸国と中国との自由貿易地域の交差点としての近い将来の役割なども同省のメリットとみられています。
クアンニン省の投資振興会議に参加した多くの外国人投資家は同省の潜在力を理解できるようになりました。アメリカ・ASEAN経営理事会のアレクサンダー・C.フェルドマン理事長は次のように話しています
(テープFELDMAN1)
「クアンニンにはビジネスチャンスが沢山あります。この会議に参加する前は、クアンニン省について世界遺産のハロン湾ぐらいしか知らなかったのです。しかし、この会議で、同省のインフラ整備に関するベトナム政府の政策、同省の鉱産物の豊かさなどを理解できるようになりました。これはアメリカ企業が投資戦略を立案するための基礎となります。会議には、インテルや、フェデックス、グーグルなど大手企業も参加していましたね。近いうちに、これらの企業がクアンニン省に進出することを望んでいます」
フェルドマン理事長はこのように話しました。
クアンニン省のバンドン経済地区
しかし、エコノミストらは「同省がこれまで誘致してきた投資は省内の潜在力にまだ相当していない」とも指摘しています。現時点で、同省向けのFDI=外国直接投資総額は37億ドルにとどまっていることがその証をみられています。これに関し、先ほどのフェルドマン理事長は次のように話しています(テープFELDMAN2)
「交通インフラがクアンニン省の最大のデメリットだと思っています。ハノイからハロン湾まで150キロしかないのに、4時間もかかります。この会議に出席するためには2日がかりでしたよ。その理由は交通問題でした。ノイバイ空港とハロンを結ぶ高速道路があれば、この問題は解決できると思います。交通が便利になれば、投資家だけでなく、観光客もより多く集客できると信じています」
フェルドマン理事長はこのように話しました。
また、エコノミストらは、「質の高い労働力の不足もクアンニン省の投資誘致作業の障壁となっている」とも指摘した上で、同省の指導部に対し、具体的な人材開発計画をできるだけ早く立案するよう提案しています。
近いうちに、クアンニン省は自らの弱点を克服し、利点を活用し、経済社会発展事業をより強く促進することができるようになることが期待されています。