ベトナム中部の山岳地域にあるクァンナム(QuangNam)省ナムザン(NamGiang)県ゾラ村はコトゥー族(CoTu)は伝統的織物業でよく知られています。昔から、この地の織物製品は、地元の家庭とコトゥー族の間で用いられていました。しかし、市場経済が発展するにつれて、布は居住地にまで販売されるようになり、伝統的織物のニーズが減ってしまいました。これにより、コトゥー族の伝統的織物業は絶滅寸前の状態でした。
コトゥー族
2000年に、日本の公益財団法人・FIDR国際開発救援財団はベトナム・コトゥー族の伝統織物技術による手工芸製品の安定した生産・販売によって、女性たちの収入向上を目指すために、製品の質の向上に向けて技術研修、市場調査およびマーケティング研修、バザー出展などに5万5千ドルを支援してきました。ナムザン県人民委員会のファム・ティ・ヌ副委員長は次のように語りました。
(テープ)
「ゾラ村の伝統的織物業は、製品のピーアール、デザイン、職業訓練面で日本の財団から支援を受けました。織物製品はホーチミン市の見本市などに出展され、国内外の人々に知られるようになり、販売先がかなり安定するようになりました。」
ヌ副委員長はこのように語りました。
普通、コトゥー族の女性たちは、早朝から夜遅くまで農作業をしていますので、現地行政府がこれらの人々に伝統織物グループへの参加を呼びかけるのはかなり大変でした。当初、ゾラ村の伝統織物グループは現地と周辺村の女性20人からなっていましたが、現在、参加者数は42人にのぼっています。女性たちは毎日、農作業を終えた夜に集まって、財布、バック、帽子、スカートなどを織ります。現在、同グループはおよそ40種類の織物製品を作るようになりました。これらの製品は現地を訪れる観光客に販売したり、ホーチミン市やハノイ市、カントー市などの大都市で紹介されています。
参加者の一人であるグェン・キム・ランさんは次のように語っています。 (テープ)
「婦人協会と日本のFIDRは、私達の村の織物作りの発展に配慮しています。彼らは市場開発を支援してくれました。この職業の発展のお陰で、私たちの収入は向上し初めています。織物作りはコトゥー族の伝統的な職業ですので、この職業の維持と発展に取り組んでいます。」
ランさんはこのように語りました。
現在、コトゥー族の伝統的織物作りの職人たちは自分たちの民族の伝統的な職業の維持に専念しています。ゾラ村の織物グループは従来の製品のほかに、デザインの革新、模様と材料の多様化を行っています。
ナムザン県婦人協会のレ・レ・トウイ会長は次のように語りました。(テープ)
「現在、ゾラ村の女性たちだけでなく、ナムザン県全体の女性たちが織物作りに参加しています。彼らは、織物作りをするための作業場を建ています。こうしたモデルはナムザン県で普及しています。」
トウイ会長はこのように語りました。
コトゥー族の伝統的織物作りの維持と発展は、現地住民の生活向上につながるだけでなく、コトゥー族の文化価値の維持と発展に寄与しています。