ベトナムの12世紀の李王朝時代から14世紀の陳王朝時代にかけて、灯り祭りが行われていました。この祭りは仏教の慈悲の光を王と全国民に照らし、平安、平和、幸福な生活に向けるという願いを表すため、行われたものです。
現在、ベトナムの歴史学者は首都ハノイのタンロン城跡に灯り祭を復活させるというアイデアを提案しており、「ハノイへの愛のため」という賞を獲得しました。ベトナム歴史科学評議会のファン・フィ・レ議長は次のように語っています。
(テープ)
「灯り祭は仏教の美徳を表す祭りであり、王宮でも民間でも行われた祭りです。ですから、この祭りはベトナムの魂の結晶と言えるでしょう」
ファン・フィ・レ議長はこのように語りました。
歴史の流れに溶け込んだ灯り祭は一時的に消滅しましたがベトナム歴史の資料によりますと、1110年、1126年、そして、1121年の新春にも灯り祭が行われました。この祭りには七重の塔がたてられました。花、玉などの飾りが付いたその塔はハスの花の台座に座る竜を形どったものです。そのハスの中には太陽のような光を照らす無数の小さな提灯が置かれました。歴史学者によりますと、灯り祭りの復活は昔のタンロン、現在のハノイの文化、信仰生活の美しさを回復させるため、行われるものです。
ハノイ市観光部門の幹部であるチャン・ドク・フェップさんは次のように語りました。
(テープ)
「タンロン城跡はベトナムの長く輝かしい歴史の1ページを表すものです。特に10世紀の以前に誕生したこの城跡の灯り祭りが復活されます。この祭りを通じて、私たちは古のハノイの人々の生活ぶりを理解することができます」
チャン・ドク・フェップさんの話でした。
また、タンロン文化研究院の院長によりますと、この灯り祭は古の祭りの基本的な要素に従って、復活されるとともに、現代的な照明を利用します。この祭りはベトナム民族の良き伝統と近代的な文化を結合させるものでもあり、ベトナムの封建時代と現代の文化の心髄を表すものともなるでしょう。