首都ハノイには長い年月にわたり、この街の歴史を静かに研究する教師がいます。彼の名前はグェンビンフックさんです。


　　　　　　　　　　　　　　ハノイ研究に関する大賞を受賞したフックさん

フックさんはハノイ人ではなく、歴史家でもありませんが、ハノイという街の歴史を研究するために半生をささげてきました。グェンビンフックさんは１９２６年北部フンイエン省、イエンミ県に生まれました。ハノイのある高校の歴史学部の教師である彼はカキュラム内容を豊かにするため、この街の歴史の研究に力を注いでいました。彼は「ハノイの通りの歴史」、「タンロンﾊﾉｲの千年」、「ﾊﾉｲ、土地柄と人々」という多くの本や雑誌を執筆しました。フックさんの生徒であったディントィハンさんは次のように語っています

（テープ）HANG

「フック先生はハノイの歴史遺跡、名勝地についての深い考えを持っています。先生の執筆した本を通じて、ハノイの通りの名前歴史について更に理解できるようになり、故郷への愛着も更に深くなりました」

ハンさんの話でした。

フックさんの書き上げたハノイについての本は貴(とうと)い歴史的な資料となっています。数多くの映画監督や学者や旅行者は彼の本をハノイの知識辞典として使用しています。ベトナムの歴史家であるﾌｧﾝﾌｨﾚ教授は次のように語っています

（テープ）LE

「グェンビンフックさんはハノイ中心地を深く研究しています。古(ふる)びた自転車を漕ぐ彼の姿が忘れられません。彼の足跡はﾊﾉｲの町の全ての遺跡に残っています。」

レ教授の話でした。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　フックさんの作品

2009年にグェンバンフクさんはベトナム政府から優秀教師という称号を与えられ、その1年後、彼はベトナム首都の優秀な公民として公認されました。ベトナムの歴史家であるﾚﾊﾞﾝﾗﾝ教授は次のように語りました

（テープ）LAN

「グェンビンフックサンさんはﾊﾉｲを研究する初めての歴史家です。ﾀﾞｵズアイン、スァンハン、クァバンなどの著名な学者の科学、文学、歴史の各研究を生かして、ﾊﾉｲをテーマにした貴い研究資料を発表しました」

1月28日、歴史家グェンビンフック氏は86歳でこの世を去りました。新春の日々に、国の優秀教師、ﾊﾉｲに心を捧げる人物はもういなくなりましたが彼の貢献はこの街の人々の心の中に永遠に刻まれることでしょう。