伝統的なおせち料理
ベトナムの習慣にとって、大晦日の晩はどの家族もご馳走を準備します。これはまず先祖にお供え物にするためのものですが、その後、一家団欒でご馳走を食ベます。昔から、ハノイの人々は優雅で、味付けが上手な人々として知られています。旧正月テトに作られたご馳走を通して、その上手さが鮮明に示されます。
ハノイの人々がテトに作るご馳走はハノイの食文化の美しさだけでなく、先祖に対するハノイの人々の敬意をも示しています。ハノイ旧市街のハンクアット通りに住む女性タインさんは毎年のように、テトのご馳走を作る料理を早くから準備しています。
(テープ) Ba Thanh
「テトの1ヶ月前から、乾燥竹の子などテト用品を準備して置きます。乾燥竹の子は長く保存しても大丈夫ですので、前から買いました。時間があるので、よいものを選ぶことができます。この乾燥竹の子はテトの1週間前に水にひたし調理します。また、テトの間近になると、価格が高騰するのを懸念するからです」
タインさんはこのように語りました。
ハノイの女性は昔から家事を重視しています。多くのハノイの女性にとって、テトのご馳走を作るのは責任感だけでなく、これはテトの楽しみの一つなのです。ハノイのバーチェウ通りに住む元女教師であるファムホンリエンさんにとって、テトは娘と嫁にご馳走を作る方法を教える機会となってきました。
(テープ) Ba Lien
「長女ですので、いつもテト用品の買い出しを担ってきました。16,17歳の時、母と一緒にテトの買い物に行きました。その頃、母はテトのバインチュンに使うバラ肉や魚の煮付けに使う魚などの選び方を詳しく教えてくれました。」
リエンさんはこのように語りました。
大晦日のパーティ
昔から、ハノイのテトのご馳走は北部の平野部にある他の地方とほぼ同じです。このご馳走を作る食材はいずれも地方の名物ですが、ハノイのご馳走の調理方法はより複雑で、飾り付けかたも見事です。これはハノイのテト料理の特徴です。ハノイの有名な女性シェフであるター・アイン・トェットさんは次のように語りました。
(テープ)
「ハノイの人々のテトの料理の食材はいずれも農産物の製品です。ハノイの女性の器用な調理方法を通じて、豚耳の自家製ハム、ねぎ玉の塩付け、乾燥竹の子の煮物などのご馳走が作られます」
ター・アイン・トェットさんはこのように語りました。
ハノイの人々にとって、正月のご馳走はその味付だけでなく、鮮やかな飾り付けで見た目にも楽しい料理のでなければなりません。旧正月のご馳走はそれぞれの家族の幸福と豊かさを示すほか、新しい年が一家の生活に幸福と裕福になるという願いが込められていることでしょう。