先頃バンコクで行われた会議で、ユネスコはベトナム北部のバクザン省ビンギェム寺に保管されてきた仏教の経典を彫った木版をアジア太平洋地域の「世界記憶遺産」として認定しましたこれらの木版はベトナム仏教の重要な思想を反映しています。
最も大きな木版は長さ1メートル、幅が50センチほどです。現在、ビンギェム寺の木版のほか、ベトナムのグェン王朝の木版、ハノイの文廟にある科挙試験に合格した博士達の成績を称える82の石碑とともにユネスコに世界記憶遺産として認定されました。古文書によりますと、ビンギェム寺は11世紀から建設されました。
13世紀には、チャン・ニャン・トン、ファプ・ロア及びフェンクァンの和上ら3人が創立したチュク・ラム仏教派はこの寺を僧侶の育成センターとして利用してきました。この寺のティック・タン・ビン(THICHTHANHVINH)副住職は「これまでこの寺で残されている遺物は仏像およそ100体を始め石碑システム、梵鐘などが含まれていると述べ、次のように語りました
「テープ」
「15世紀の始め、チャン王朝時代の仏教育成センターとしてのビンギェム寺で 木材で仏教の経典を彫ることが始まりました。現在、お寺は木版3000本を保管しています。その価値は木版の内容にありますが、彫刻芸術は工夫されていると思います」
ビン副住職はこのように語りました
およそ3000の木版の中には34冊分にあたる冊子が含まれ、ベトナムの大乗仏教の思想を反映しており、当時のベトナム仏教の代表的仏教派と見られたチュク・ラム派の仏教の経典を彫った唯一の木版です。チュク・ラム仏教派は当時のベトナムだけでなく、地域の各国にとっても大きな意義を持つものとなりました。これはインドと中国の仏教をベトナム化するプロセスを印したものです。バクザン博物館のチャン・バン・ラン館長は次のように語りました。「テープ」
「私たちはボダとバンハの他のお寺で木版を見ましたが、これらの木版には、仏教の経典が彫られているだけでした。しかし、ビンギェム寺での木版には、ベトナムのチュク・ラム仏教派の教理が書かれています。また、民間に伝来するための本書が必ずあります。祖先たちはインドと中国の経典を参考して、ベトナムの特徴ある仏教派を創立してきました。」
ラン館長はこのように語りました
木版は中国の漢字あるいはベトナムのチュノムで彫られています。時々、絵入りの木版もあります。全ての木版はベトナムの職人の忍耐力と器用さを表すものです。バクザン博物館のグェン・バン・フォン(NGUYENVANPHONG)副館長は次のように語りました。
「テープ」
「ベトナムには、木彫り職人はあまりいないので、一番多く集めている所は北部ハイズォン省です。この職業は心が強くて、知恵も忍耐力にもなければなりません。その上、責任感が強くならなければなりません」
フォン副館長はこのように語りました。
一つの木版を完成させるため、熟練職でも2ヵ月かかりましたが、ビン・ギェム寺の木版を完成させるために、百年あまりかかりました。また、この木版はベトナムの職人の才能を示すものであるだけでなく、レ朝とグェン王朝時代の彫刻芸術を理解する上での貴重な資料になることでしょう。