世界的経済危機により、ベトナム企業は様々な困難に対応しなければならない状態です。しかし、これは、企業が再構築を通じて、自らを評定し、刷新するチャンスともみられています。
多くの国際組織と専門家によりますと、今年の末と来年の始めにもベトナム経済を含む世界経済は低迷状態が続くと予測されています。ベトナムでは、破綻企業の数が増加の傾向にあります。7月末までに、その数は3万社にのぼりました。こうした中、エコノミストらは「各企業が再構築事業を促進する必要がある」と助言しています。
ホーチミン市企業協会のファム・ゴク・フン(Pham Ngoc Hung)副会長は次のような見方を示しています。
(テープ)
「現段階において、各企業は自らの路線、発展方向を選ぶ必要があります。危機には、危険もあれば、チャンスもあります。このため、危機の最中に正しい戦略を定めることはとても重要だと思います」
フン副会長はこのように語りました。
エコノミストらは「経済再構築作業は短期ではなく、長期的なプロセスだ」と指摘しています。そのプロセスには、人材育成、組織健全化などが重要な意義を持つとしています。しかし、企業再構築にとって最も大きな圧力は消費需要の低下です。このため、企業の活動戦略の立案は出発点であるだけでなく、再構築プロセス全体の最重要な要素であるとみられています。
ハーバードビジネススクールのダグラスコールター教授は複数の国で企業再構築に関する経験を分かち合い、次のように語りました。
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「企業再構築は6段階あると思います。第1は再構築に関する決定を出すこと、第2は再構築の対象を選ぶこと、第3は自らの実力を基に総合的な構造を建設すること、第4は決定者の権限を定めること、第5は会社システムを調整すること、そして、第6は再構築に参加するスタッフの能力を向上させることです」
コールター教授はこのように語りました。
現在、ベトナム企業は金融や、財源の模索などの面で困難に直面しています。この問題解決へ向けて、政府は先ほど、各商業銀行に対し、融資のための規制を緩和するよう指示しました。しかし、「各企業は自らの計画の実施を保証し、財政面での透明性を向上させる必要がある」との意見も出ています。
これに関し、ベトナムにおける香港上海銀行のファム・ホン・ハイ副社長は次のように語りました
(テープ)
「これは各企業が改革を行うチャンスです。政府に依頼すべきではないと思います。企業は債務を点検する必要があります。各銀行は企業を援助したいのですが、まず各企業の財政面での透明性を要求しています」
ハイ副社長はこのように語りました。
現段階で、再構築は企業にとって死活問題とみられています。しかし、各企業が正しい路線を選択できるかどうかが焦点となっています。