(VOVWORLD) -化石燃料が枯渇している背景の中で、再生エネルギーの開発はベトナムのエネルギー安全保障と発展方向に見合うとしています。
ベトナムは風力、太陽、バイオマス資源に恵まれていると評されています。その中で、風力発電量は7000から8700メガワットに及ぶと推測され、中部、南部沿海地域や中部高原地帯、島嶼に集中しています。一方、日照時間は年平均2500時に達していることから、太陽発電で大きな潜在力があります。各産業が迅速に発展し、人口が日増しに増加している現在、電力需要は伸び続け、様々な試練をもたらしています。
化石燃料が枯渇しているという事態を踏まえ、多くの国は再生エネルギーの活用に踏み切りました。ベトナム政府は経済社会発展に対する再生エネルギーの役割を認識して、2030年までの再生エネルギー発展戦略と2050年までのビジョンを承認しました。ベトナムのエネルギー協会のチャン・ベト・ガイ会長は次のように語りました。
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「世界各国、とりわけベトナムでは化石燃料が枯渇している一方、石炭などを使用する火力発電所は環境汚染を引き起こしています。これを受け、政府は2030年までの再生エネルギー発展戦略と2050年までのビジョンを承認しました。これにより、外国のいくつかの企業は風力・太陽光発電プロジェクトに投資することにしました。」
風力、太陽、バイオマス資源に恵まれると評されているものの、これらの潜在力の開発は、小規模でしか行なわれていません。2013年9月、南部バクリエウ省の風力発電プロジェクトの一期で出力16メガワットの10基の風力タービンは国家電力網への送電を開始し、一日あたりの平均出力は100メガワットとなっています。第2期は出力83メガワットの50基の風力発電ポールが設置される計画です。一方、国内最大となる太陽光発電プロジェクトとして、発電会社ジアン社の出力212メガワットやサイゴン・ハイテク企業の出力200キロワットの2件があります。次世代エネルギーと再生エネルギー開発センターのブ・ミン・ファップ副センター長は次のように語りました。
(テープ)
「太陽電池や部品生産企業が増え、太陽光発電市場が出来ています。これにより、再生可能エネルギーシステムの利用料が以前より値下げされています。」
水力、風力、太陽、バイオマス資源など、それぞれのエネルギー形態を開発するためには世界の動きとベトナムの実状に見合うような政策を打ち出さなければなりません。次世代エネルギーと再生エネルギー研究院のドアン・バン・ビック院長は次のように話しています。
(テープ)
「バイオマスエネルギーに特別な関心を寄せています。農・林生産や畜産から得られる副産物を利用して、バイオ炭をはじめ、固体エネルギーや燃料棒、バイオガス、バイオマス燃料などを生産しています。」
再生エネルギー開発シナリオによりますと、2025年までに再生エネルギーの利用で、年平均3千から5千メガワットの電気出力が可能となり、電力供給に大きく貢献するとしています。今後、ベトナムは国民に現代的かつ信頼できるエネルギーを手頃な価格で供給できるよう、再生エネルギーの開発に社会のあらゆる財源を活用する計画があります。これにより、化石燃料への依存度の軽減、エネルギーの安全保障の確保、気候変動への対応、環境保全、持続的な経済社会発展の促進が図られるでしょう。