2011年、ベトナムの輸出は目覚しい成果を収め、目標を上回りました。最新の統計によりますと、現時点で、2011年におけるベトナムの輸出額は960億ドルを超え、2010年と比べ、33%増となっています。ベトナムの農産物、食品、木材製品、美術手工芸品などは国際市場で好評を博しています。ただし、2012年、輸出市場の不安定はベトナムの輸出に影響を与えると予測されています。現在、政府と各企業はベトナム製品の競争力の向上を目指す措置を実施していますが、新しい輸出市場の開拓や既存の市場の活用は2012年における輸出部門の課題となっています。
ベトナム商工省は2012年の輸出額を2011年と比べ、13%増となる1085億ドルにするという目標を設定しました。しかし、この目標を達成するには輸出に携わる企業は大きな力を尽くさなければならないとしています。というのは2012年にも、世界経済は困難に直面し続け、製品価格の変化は予測できなくなるからです。一方、欧州諸国、日本、アメリカなど、大市場の消費力が減少の傾向にあります。こうした状況の中、輸出を促進するため、各省庁は輸出市場に深く注目する必要があります。また、2020年までに輸出入のバランス確保を目指し、輸出市場の構造の移行に集中しなければなりません。
商工省によりますと、国境地域での商取引は中小企業の輸出活動の重要な一翼を担ってます。ラオス、カンボジア、中国向けの輸出はベトナムの輸出額に小さくない貢献をしています。しかし、これまで、ベトナムの多くの企業はこれらの市場向けの輸出の潜在力を最大限に活用していません。
他方、EU欧州連合諸国、アメリカ、日本などの主力の輸出市場の他、アフリカ、西アジア、南アジア、中東は有望な市場として浮上しています。先ごろ、ドバイで開催された国際コメ見本市で、ベトナムの企業はアラブ首長国連邦の企業と米や農産物・水産物の輸出契約を締結しました。ベトナム農業農村開発省のルオン・レ・フォン副大臣は「これは中東市場へのベトナム農産物の出荷とこの市場向けの輸出額の引き上げに良い機会となる」との見方を示し、次のように語りました。
(テープ)
「先ごろ、中東を訪れたことで、ベトナムの企業は中東市場の愛好を把握できるようになりました。私達はこの市場向けの製品の出荷を確保するため、養殖場を設置する必要があります。また、中東市場の人口の大部分はイスラム教を信仰しますので、水産物が愛用されます。金持ちの人向けの高級な水産物と労働者階級向けに相当するものを提供する必要があります。さらに、質は重要な問題であり、水産物養殖企業に対し、消費者の健康に害を与える抗生物質を使用しないよう要請します。中東市場でのシェアを長期的に確保するため、各レベルの行政府、関連機関は検査、監視を厳格に行わなければなりません。」
フォン副大臣はこのように語りました。
他方、ベトナムの企業は新しい市場を開発すると同時に、アメリカ、日本、欧州諸国などの伝統的な市場にも注目する必要があるとしています。なぜならば、これらの市場はベトナム製品の質を高く評価し、また、これらの市場向けの輸出額は高く、安定しているからです。
2012年、欧州市場で債務危機が続き、貿易補助や技術障壁が実施されていることから、ベトナムの輸出は困難に直面すると予測されています。在ベルギーベトナム大使館のファム・サイン・チャウ大使は「欧州市場に進出しているベトナムの企業の困難は輸入国の基準を満たすような製品の質を確保しなければならないことである。欧州諸国は製品には毒性のある物質が含まれているか、労働者の権利が保護されているかという問題に関心を寄せている」と明らかにし、次のように語りました。
(テープ)
「現在、貿易摩擦が増しており、経済危機が再発生する可能性がある中、貿易補助は増加の傾向にあります。各企業は不当な告訴が行われる可能性があることをよく理解する必要があります。私たちは技術面、法律面、及び政治面での対応策を準備しておかなければなりません。」
チャウ大使はこのように語りました。
なお、先ごろ、ハノイで行われた国外駐在ベトナムの貿易参事官会議で、商工省のブ・フイ・ホアン大臣は「国外駐在ベトナムの商務局は外国市場での貿易振興、商標のピーアール、反ダンピング販売の調査、補助主義と貿易障壁の防止などでベトナムの企業を積極的に援助する」と強調しました。