ベトナムのFDI誘致 2015年


世界経済状況が複雑に推移しているにもかかわらず、2015年、ベトナム向けのFDI=外国直接投資は安定しています。11月末現在、新規投資額と増資額があわせて、202億2000万ドルに達しています。これは、経営投資環境の改善や、経済体制の改革、国際社会への参入の促進による結果と見られています。


ベトナムのFDI誘致 2015年 - ảnh 1

エコノミストらによりますと、マクロ経済の安定や、インフレ抑制、交通・社会のインフラ整備は外国人投資家に安心感を与える要素となっています。2015年9月ハノイで開催されたベトナム投資フォーラムで、ブイ・クアン・ビン計画投資大臣は

「2015年、ベトナムの投資環境は法律面などで大きく改善された。具体的には、2014年に改正された投資法や、企業法が効果をあげていることから、投資家の行政手続所要時間がはるかに短縮され、経営が禁止される分野が減少し、ベトナム市場の魅力が増している」

と明らかにしました。

注目しべきことは、以前、FDIが不動産や、金融、証券分野に集中しましたが、2015年、エネルギー、すその産業、製造業、農業などにシフトしたことです。特に、各地方のFDI誘致も好転しています。南部ビンズオン省はその1例です。同省は、10億ドル相当のFDIを誘致するという目標を設定しましたが、今年はその目標を上回りました。こうした中、同省は、環境に優しい付加価値の高いプロジェクトを優先する方針を打ち出しています。

同省の計画投資局のマイ・フン・ズン局長は次のように明らかにしています。

(テープ)

「環境汚染を引き起こすプロジェクトを制限します。優先対象は、クリーン技術を導入する投資家です。また、南部各地の投資家に対しては、サービス業に関連するプロジェクトを奨励しています。我が省の指導部が常に投資家に有利な条件を作り出していることから、投資家は満足しています。」

2015年、FDIは18の分野に集中していますが、その中で、投資が最も多い分野は製造業です。統計によりますと、同分野の新規プロジェクトは892件、増資は491件となっています。現在、57カ国・地域がベトナムに投資していますが、その中で、今年に63億ドル相当の新規投資と増資プロジェクトを行っている韓国がトップに立っています。

次いで、マレーシアや、日本などの順となっています。プロジェクトの規模に関しては、南部チャビン省で実施中のマレーシアの投資家による火力発電所ズエンハイ2号建設プロジェクト、北部バクニン省での韓国系企業サムスン社のサムスンディスプレイプロジェクト、イギリス投資家とベトナム投資家の合弁によるホーチミン市での「デー・ブオン」という新都市建設プロジェクトなどが最大規模となっています。

2015年9月ハノイで開催されたベトナム投資フォーラムで、グエン・タン・ズン首相は、「多くの困難に直面しているにもかかわらず、2011~2015年期に、ベトナムのGDP=国内総生産の年平均伸び率は5・9%に達している。特に、2015年は6・5%を超える見通しである。こうした中、複数のFTA=自由貿易協定はベトナムと、G7=先進七カ国およびG20=主要20カ国・地域を含め55のパートナーに多くの投資チャンスをもたらす」とし、次のように語りました。

(テープ)

「ベトナムは、公的投資の改革を行い、国内外の民間投資家がインフラ整備や、ハイテク、すその産業などの分野に投資することに有利な条件を作り出しています。PPP=官民連携に関する政令も発効され、FDIの誘致に新しい原動力をもたらしています。」

2015年、ベトナムは対外経済を積極的に進めており、2件のFTAを締結し、4件の交渉を終了しました。中でも、TPP=環太平洋経済連携協定や、EU=欧州連合とのFTA、ユーラシア経済連合とのFTA、韓国とのFTAはベトナムの外資誘致作業に突破口を切り開くものとみれています。

こうした中、ベトナムは、「今後も、行政改革や、経済体制改革、国際社会への参入を進め、外交直接投資の誘致を促進していく」方針を打ち出しています。

 

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