近年、コーヒーはベトナムの主力輸出品の1つに躍り出ています。コーヒー輸出量が日増しに高まっていることにより、ベトナムは世界第1のコーヒー輸出国なったのです。しかし、その生産・加工・輸出プロセスからの収益はベトナムの潜在力にまだふさわしくないと指摘されています。コーヒー価値の向上は各企業の大きな関心事とみられています。
2012年、ベトナムは37億ドル相当のコーヒー170万トンを輸出しました。ベトナムコーヒー生産量は世界の生産総量の20%を占めています。しかし、金額の面では世界市場の2%にしか達していません。というのは、輸出用のベトナムコーヒーのほとんどは未加工で、付加価値がないからです。実際、ベトナムは1キロのコーヒー豆を2ドルの価格だけで輸出しています。
この価格はヨーロッパ諸国で販売されているコーヒー1カップの平均値段と同じです。また、コーヒーの品質が不安定であることも大きな問題とみられています。
その理由について、ベトナムコーヒー・カカオ協会のルオン・バン・トゥ(Luong Van Tu)会長は「国内のコーヒー栽培面積が長年使用されてきたため、土壌の枯渇につながっている。コーヒー栽培農家の最も差し迫った問題はその土壌の改善だ」と指摘し、「この問題を克服するために、当面、政府とコーヒー輸出企業はコーヒー栽培農家に優遇措置をとり、支援する必要がある」と提案しています。
トゥ会長は次のように語りました。
(テープ)
「当面、コーヒー農家に資金を補助する必要があります。次は栽培技術とコーヒーの消費などの面にも補助しなければなりません。このため、コーヒー生産業者である農家や、コーヒー加工・輸出業者である企業、コーヒー栽培のための資金支援者である銀行の間の連携を作り出さなければなりません。企業と銀行は農家とともに歩む必要があると思います」
トゥ会長はこのように語りました。
一方、ベトナムコーヒーの商標作りに関する問題も沢山あります。多くの製品はブランド、原産地証明、地理的案内などが欠かしています。これは、ベトナム産コーヒーに対する消費者の信頼醸成にマイナスの影響を与えると指摘されています。
バンメートートコーヒー協会のチン・ミン・ドゥク(Trinh Minh Duc)副会長は次のように語りました。
(テープ)
「協会と各企業は農民に、世界市場での原産地証明、地理的案内などについて手ほどきする必要があります。各企業が農家との連携を強化し訓練を行い、製品の品質を直接管理することは効果的な措置だと思います。コーヒーの品質を栽培プロセスから管理することができれば、品質を確保できるようになります」
ドゥク副会長はこのように語りました。
さらに、国際社会が承認する品質の高いクリーンコーヒーの生産もベトナムコーヒーの価値の向上に寄与する持続的な措置とみられています。
現在、品質証明書を獲得している国内のコーヒー関連製品は30%しかありませんが、ベトナムはその割合を高めるために具体的な計画を展開しています。
農業農村発展戦略研究院のダン・キム・ソン(Dang Kim Son)博士は次のような見方を示しています。
(テープ)
「国際品質証明書を申請する計画を効果的に進めることはコーヒーの輸出の促進と付加価値作りに土台を作り出します。次のステップとしては、政府は貿易振興活動を促進し、企業の国際社会への参入活動を補助する必要ガあると思います」
ソン博士はこのような見方を示しています。
現在、農業農村開発省は「ベトナムコーヒーの持続的発展戦略」を立案中ですが、この戦略の実施がコーヒー生産・加工・輸出プロセスに新風を吹き込むことが期待されています。