ベトナムは、マグロ輸出国の中で、第3位にたっていますが、その輸出活動は様々な困難に直面しており、持続的なものではないと指摘されています。
その主な原因としては、マグロ漁獲活動が自発的に行われていることや、国際基準を満たしていないこと、マグロ産業に関する法的枠組がまだ未整備であることなどがあげられています。エコノミストらは「マグロ産業開発のために様々な措置を取る必要がある」と提案しています。
ベトナムの中部と東南部海域では、9種類のマグロが生息しています。マグロ協会によりますと、ベトナム領海にあるマグロの量は5万トンを超え、各企業と漁民の年平均漁獲能力が約1万7000トンに達するということです。
商工省はマグロを国の主力輸出品として見なしています。水産物総局の統計によりますと、現在、全国で、マグロ漁獲に携わる漁船の数は2500隻で、主に中部のビンディン、フーイェン、カインホアの各省に集中しています。中でも、フーイェン省はマグロ産業が最も発達している地方とみられています。今年に入りこれまで、同省の漁民数百人がマグロ漁獲にシフトしてきました。
同省のトゥイホア町の漁民グエン・ダウ(Nguyen Dau)さんは次のように話しました。
(テープ)
「以前、マグロ漁をするのは、我が省とビンディン省の漁民しかいませんでした。最近、他の地方にも拡大しています。これはなかなかやりやすいので、私もしています」
ダウさんの話でした。
現在、ベトナムのマグロ生産量の90%が輸出向けのものです。2011年にはその輸出額が4億ドルに達しましたが、今年1月から9月にはその金額が4億3000万ドルを超えました。これらの数字から見れば、マグロ産業は発達しているといえますが、この産業に関する具体的な法的文書がまだない状態です。これは各企業に様々な困難と損失を引き起こしています。
マグロ協会のブ・ディン・ダプ(Vu Dinh Dap)会長は次のように語りました。
(テープ)
「マグロの輸出は外国で様々な障壁に直面しています。というのは、多くの国がマグロの原産地や食品安全衛生に関する厳しい基準を適用しているからです。これらの基準を満たさない限り、安い値段で輸出せざるを得ないのです」
ダプ会長このように語りました。
一方、水産総局所属科学技術局のファム・チョン・イェン(Pham Trong Yen)副局長は次のように明らかにしています。
(テープ)
「これまでもマグロ産業向けの具体的な法的文書がまだないことは事実です。ベトナムは漁獲を行っていますが、保存方法がまだありません。私たちは国際組織から協力を得て、マグロ産業に関する法的枠組を点検、構築しています。来年から、マグロ産業管理規定が出る見込みです」
このように語ったイェン副局長によりますと、水産総局は法的枠組の完備のほか、マグロ産業が国際水準に達するように、近代的な管理方法の導入やマグロ産業に関する国際組織への加盟のロードマップ作りなど様々な措置を取っているとしています。